おかえり水平線
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おかえり水平線

渡部大羊

さりげなく優しい世界

2025年9月10日
祖父と共に銭湯を営む高校生の遼馬と、東京からやってきた、父の隠し子と名乗る青年・玲臣の物語――。

1巻まで読了。この作品、すごく良かった。

遼馬と怜臣。正反対の二人。
学校から帰ってきて家業の銭湯を手伝っていたら、いきなり「あなたのお父さんの隠し子です」と言われてしまう遼馬。そんなこと簡単に受け入れられるわけないけれど…
だけど、お互いを知るうちに徐々に絆が深まってゆく

高校生って子供じゃないけど、大人でもなく。
家庭の事情でどうしようもない事態になったとき、そのとき出会った人、そのとき選んだ選択が、まさに人生の分岐点になる時期。
辛いことや悲しいことがあっても、周りの人がさりげなく励ましたり、支え合う姿がとてもよかった

ところで1巻最後の番外編に登場したおやつ、あれは間違いなく最強だと思います。
夜中に読んでいたら猛烈に食べたくなって危なかった…

ゆるりと。肩の力を抜いて
温かいお風呂に入ったみたいに、心がほぐれてゆく物語
素敵なヒューマンドラマを探している人におススメです
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