山神様とおきにいり
」のレビュー

山神様とおきにいり

七瀬

こんな山神様がいて欲しい

ネタバレ
2025年10月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ ピックアップで表示され、あらすじを読んで、これは多分好きなタイプの作品のはず!と手に取りました。
修理工の青年・宗一郎。山道で迷っていたところ、不思議な雰囲気の大柄な男性に助けられたことでお話は始まります。

当初の予想通り、その世界観がとても好み。
宗一郎が遭遇したのは山神様の紫苑。仕事の都合でその山道を定期的に通ることになった宗一郎は、それからも紫苑と度々顔を合わせ…。そして深い間柄になっていきます。

上背がありガタイも良い紫苑、着流しが様になってます。悠然とした態度がまさに神様、貫禄たっぷり。
宗一郎のビジュアルも良いんですよ。眼鏡に作業着という、今まであまり目にしたことがなかったタイプかも。真面目で誠実な好青年です。二人とも好き!
ストーリーの流れはゆったり優しく、山神様というテーマにぴったり。木々の美しさや可愛いあやかしたちにもたいへん癒されました。
ガッツリ系ではなく、作品が纏う空気感は穏やかで涼やか。BL要素は少なめですが、素敵なストーリーに満足です。

地元がまさに大小様々な山に囲まれた土地なので、作中のような山道はめちゃくちゃ馴染み深くて。ここは地元か~!と。余談ですが、幾つかの山には興味深い伝説が残されていたり、天狗にまつわる非常に有名な場所もあったりします。
県内で最も名高い山の神様は大百足に化け、大蛇に化けた隣県の山神様と領地を賭けて争ったのだとか(余談すぎてすみません…)。

また基本的に山の神は女性だといわれていますが、男神がいる山もあると聞いたことがあります。無数に存在する山々の中に、作中に登場するような神様やあやかしたちがいたら浪漫だよなぁ…。
そんなことを思いつつ、物語にどっぷり浸らせていただきました。
いいねしたユーザ29人
レビューをシェアしよう!