HOUSE
」のレビュー

HOUSE

奥田枠

最高✨✨

ネタバレ
2025年10月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「Kの支配者」を読んだ時も感じましたが、今作を読んだ時はまたさらに「来た!」となりました。新しいというより懐かしさを感じるというか。もうあまり見かけなくなったものを久しぶりに物語を通して見させてもらった感じがして、感動しました。

*「Kの〜」含めてネタバレしています。

あの家がSとMの様に感じましたが、たった一人のご主人様と後は全てMの関係性だったのかなと。男性従業員にまで先代はご褒美を(庭師と龍彦の奥さんの関係とか)上げていたと思ったら、面白くて。なのでMの龍彦には従業員にご褒美をあげる事が出来ず、暴力だけの支配から辞めていく者が出ていたんだろうなと。だってあげれる訳ないんですよね、本人は一度も主人から褒美をもらった事が無いわけで(はぁ、可哀想…)先代は子供達にはあんな風でも、従業員からは慕われていたんだろうなと思いました。

先代が「お前は息子だ」と龍彦に言った後から自暴自棄になり亡くなるわけですが、作者様…と痺れました。睡眠薬とお酒なのですが、たぶんこれは、月が綺麗ですねが貴方を愛してますの表現の様に、嫌な事をいっ時忘れる為にする行為の表現だったかと。息子から尻に入れて欲しいと、そこからご褒美を願われていると感じるたびに、主人としてそれに応えられなかったいっ時を忘れたくて飲むんだなと。女中の市が弟龍蔵に話した、兄が父を殺したというのはある意味真実なんだろうなと思いました(どれだけ兄は父を求めたんだろうと…)

同時に先代は主人になれたのは兄龍彦ではなく、弟龍蔵の方だったんだとこの事から知る訳で。父龍吉、長男龍彦(でも主人にはなれなかった)だから長男孫には龍斗と…?と思うとうふふで。きっと龍蔵を呼び戻す事も出来ず、悶々と家の将来を憂いでもしていたんだろうかと、んー良いわ…でした。

Kの時は表紙の首輪が印象的で。主人と奴隷の関係の終着地はどこだろうと。Kは首輪が優しいなと思ったんですが、あぁ、だから先に主人がと。もし棘とげの(闘犬が着けてる様な)だったら違っていたのかなと。今回は首輪ではなくHOUSEなんですよね。誰の?って思うと、弟龍蔵の帰る家がHOMEじゃなくHOUSEなのかと思ったら、(色んな解釈があるかと思いますが)この兄弟の終着地もまた…んーここも良いわと思って、最高だなと。単行本になるのも楽しみです✨✨
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