このレビューはネタバレを含みます▼
経理×営業のリーマンBL 191頁 星☆3.9 男性の平均寿命は81歳、残りの人生約19000日。
経理部の谷矢(たにや)は日々を穏やかに過ごすのが最重要事項。恋はアウティングされた経験からあきらめている。そんなある日、いつもは断る飲み会に参加する。隣の席に居たのは営業課主任の色部(いろべ)明るいパワーで話しかけてくる。なぜか谷矢の心の水面がざわめきたつ。
色部は営業で話上手に聞き上手、気配りと邪気のない笑顔で男女問わず人気者。それが経理への精算金額をたびたび間違える。再提出の男。こいつは確信犯である(最初はうっかりだったか?)それは谷矢に話しかけるきっかけ欲しさと読んだ。だから飲み会でさりげなく話しかけ、いいなぁと思ったから追いかけた(チャンスを逃さないのは、さすが営業)最初のキスは、谷矢と目があったから。流れを作って掴む、見事である。正攻法では谷矢の壁は崩せない、「型破り」はできる男の条件かもしれない。
恋の経験値も高い色部。ひきかえ谷矢は恋愛ウブ。キスをされて、”あれは事故だ”と結論づける。だが頭で冷静を装っても、心は別の方向へ行ってしまう。このチグハクな感じ!通勤電車からの景色がくっきり鮮明で眩しくなるシーンは、恋である。うっひゃぁぁぁ!とにやけてしまった。冒頭、人生19000日を静かに過ごそうとした人とは思えない。中盤、ちょっと当て馬が登場してヒヤッとするが(続編が出ると再登場するかなぁ。谷矢は華のある男が好みらしい)
日々を型にはめて生きる谷矢、その型をうまくほぐした色部、笑顔でずっとくっついてくれそうである。