後宮の獣は愛を孕む【電子限定描き下ろし漫画付き】【コミックス版】
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後宮の獣は愛を孕む【電子限定描き下ろし漫画付き】【コミックス版】

じんにくれーちぇ

傾国のキツネと虎

ネタバレ
2026年1月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 前作に続き、鋭い視点とアイデアが光っている。177頁 本作は亜人が支配される中華ファンタジー

妖狐の涙星(レイシン)は娼館からの成り上がり。「肉毬草(にくきゅうそう)」【強制的に子宮がつくれる】の首環を嵌めて後宮入りした。ところが子宮は壊れ、そのせいで足は獣のまま。皇帝は後宮の退きを命じていた。なんとか止まりたいレイシン。そこで種馬亜人に閨房の指南役という作戦にでた。その候補として目をつけたのが体躯のよい虎の天哥儿(テンゲル)だった。

テンゲルは田舎育ちで天真爛漫。そうかと思えば悪意ある人間を退ける強さをもっていた。屈強さと、しなやかな優しさが王者の風格だ。皇帝は亜人が嫌いであり、気まぐれで傲慢。強気な発言の裏でレイシンの動向が気になる様は器が小さい。

今回は獣の描写がうまかった(BLじゃないファンタジーになったかも)あのレイシンの足の繊細さ。中盤で狐に戻った軽やかな動きやかわいらしさの躍動感はウキウキする。

狐は生きるために後宮を選んだ。しかしそこでは虎が守れない。テンゲルはレイシンに迫る。安全な場所は自分たちで作り上げていこうと。広い草原と森のなかを、雄々しい虎と賢い狐がかけていく。

(小さなつぶやき:レイシンの履いている纏足(てんそく)が目にとまる。中華王朝では小さな靴=足が美しいとされた時代。高貴な姫たちは纏足で足を拘束する。拘束具。そして逃亡しないようにする拘束の意味もかねている。色んな意味で痛い)
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