このレビューはネタバレを含みます▼
これまで何度も何度も何度も何度も見送ってきた作品です。
はらだ先生大好きなんですけど、天使の過去についてのネタバレチラ見したらどうしても読む勇気が出ず…。
なぜ今回ポチしたのか自分でも分かりませんが、きっと今が読む時だったのでしょう。
結果、恐れていたほどには負の衝撃に襲われず、むしろ読後は温かな気持ちの方が大きかったです。
もちろん私が一番見たくなかったシーン(#6「きおく」)は辛かった。でも思っていたより該当のページが少なかったのと、過去は理解したけど記憶が蘇ったわけではないから天使(天志くん)自体があまり落ちていなかったのが大きい。冷たく聞こえてしまうかも知れないけど、天志くんはもう亡くなっておりこの事実は変えられない。まだ若くて狭い世界で生きていたから死を選んでしまったのは本当に可哀想だし、生活圏同じだったのだから生きているうちに幸紀と今くらい深く知り合えていたら結果は違っていたかも知れないと悔しくもなります。でもだから、せめて今天使として存在する彼が泣いておらず、幸紀とコントのような毎日を過ごしている姿に救われます。
そんな理由から私がより懸念するのは幸紀の方でした。私も経験ありますが人との出会いというのは何て大きな影響を与えうるものなんだろう。読んでいる間中、2人が出会った意味を考え続けていたような気がします。最初と最後の幸紀を比べてみてよ。表情も気持ちも全然違う。1人の男の人生を変えた天志は間違いなく天使だった。そしてあり紗、母はやはり母だね。やっと泣けた息子の背中をさすって力づける彼女の背中にも、羽が生えているように見えたよ。
電子特典の秘密のセリフ、もし私が同じセリフを最期に言えたとしたら、私の人生は上等だったと声を大にして言い切れます。幸紀よかったね、お疲れ様。天志くんまた会えてよかったね。もう死が2人を分かつことのない世界で永遠に楽しく暮らしてね。それと天志くんのお父さんの笑顔を最後に描いて下さりありがとうございます。幸紀と同じくらい気掛かりだったので。
奇妙で苦しくてこの上なく優しい世界観に圧倒され、読んだ直後は感想書きたくても言葉が出てこないよ…と途方に暮れていたのですが何とかレビュー書けました(そして長い、長いのよ、すみません)。空欄のもくじやQRコードの粋なパスワード等のニクい演出も含め、改めてはらだ先生は凄すぎる人だ。読んでよかった。