Talent―タレント―
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Talent―タレント―

よしながふみ

才能とは何か、を考えつつ止まらぬ妄想

ネタバレ
2026年2月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 偶然立ち寄った本屋で平積みになっていた、よしながふみ先生の新作。パラリと読んだら、芸能界を巡る人間ドラマとしての読み応えを感じてカートイン。
 昨年来、血か才能か、を巡る映画がヒットする中、よしなが先生が選んだテーマは「才能とは何か」。
 舞台は2000年。大学演劇の帝王で演技派で鳴らす一彗、国宝級の顔面を持つ、そこまで熱意を持たずに芸能界に入った涼平、周囲のやっかみに遭い、芸能界に入って生き延びたミコト、有名芸能人の二世女優の華蓮の4人が、若手俳優として一つのドラマで共演し、関係を深めていく。
 まだ1巻なので、序章なのです。

 この演技派の一彗がなかなかの野心家で、人間関係を深める必要があると考えると、夜の営みをすることもいとわないタイプで。
 逆に、後輩の涼平は、そういう野心のない、周りが応募したらオーディションに通っちゃったタイプで、事務所の方針でおバカキャラにならないよう、クールを通そうとするのだけれど、素顔の可愛さが隠し切れないギャップになって魅力的、というガツガツしていないタイプ。
【ネタバレ】
 そんな、ある意味対照的な2人だけれども同じ事務所なので、一緒に売り出されているなか、な、なんと。一彗が役作りをする中で、気持ちが乗ったからか、男同士の関係を試してみる?…と亮平に言って始まっちゃうんです、秘密の関係が。もうそんな風に女性マンガで描かれる時代になったのか…さすが、よしなが先生。

 BLだったら、そんな実力派俳優と国宝級イケメンとが相思相愛に…となるんだろうけど、打算的な一彗と、ワンコな涼平の気持ちの温度差、ほうほう、そっちが受けなのね…と見ているこっちは「そこ、もっと心理描写プリーズ!!」と突っ込みを入れたくなる勢いで物語は進んでいく。その分、妄想のしがいがあるのがイイんだ。個人的には、今、スカしている一彗が、一番盤石なようでいて危うさが漂うのが気になるのよね。自分の才能に溺れて堕ちていくのではないかと…天賦の魅力で人を惹きつける亮平との落差に屈辱を味わうのかな、と。

 こんな風に妄想が捗るのも人物描写がしっかりされているからこそ。登場人物の内面描写も深いのがさすが。
 まだ序章ながら、芸能界に残る才能とは何なのかを読者に問いかけながら進む構成に新鮮さを感じる。この先彼らに何が待ち受けているのか見届けたい
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