私の愛する圧制者
」のレビュー

私の愛する圧制者

STUDIOLICO/Cersei

生きてほしいと思ったらそれは愛でしょ

ネタバレ
2026年4月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ ひとりの男の恋が、妄執と情念で時代を動かしその波が穏やかになるまで心を燃やし続けるお話。

ストーリー構成がとてもうまい。
ハイナーとアネットが苦しい時代を生きているなかで、回想が小刻みに現れたり時にはじっくりと読ませてくれる。
長々と辛い時代を描くよりも二人の背景や感情がとても伝わりやすかった。

少しネタバレします。
ハイナーの背景が非情でとても苦しい。
繰り返される訓練と拷問と裏切り。
その中妄信するようにアネットを神の如く祀り上げてしまう。
彼女の本当の姿を見ようともせずにだ。
怒りが湧く。
神が人形となる落差が偏見と憎しみに変わるのは、想像に難い。
アネットの罪とは。
目を閉じて耳をふさぎ深くを考えず流されたことだろうか。
しかし、深層の令嬢が人生何度目か知らぬが政や市井の人々のことを知る方が難しいのだ。
それでも君臨するような人々にとっては非常に重い罪なのだ。
哀れなふたりです。

現在(2026年4月4日)4巻まで無料で読めます。
これを逃す手はありません。
私は別サイトで単話完結まで読んでしまいましたが、まとまっているこちらはとても読みやすいです。
紙で購入したいくらい。
今後のふたりは激動の時代に翻弄され、数々の痛みや苦しみを乗り越えてゆきます。
ハンカチは手放せません。
そして、中弛みなどなくこれ以上ないエンディングとなっています。
消えない傷と消えない痛みを抱えてそれでもそれが人生。

おすすめです。

※多分、多分ですけど…11巻前後での完結となるのではないかと予想しています。
いいねしたユーザ47人
レビューをシェアしよう!