囚われの聖騎士
」のレビュー

囚われの聖騎士

天野瑰/早瀬響子

男の嫉妬を描くのが凄く上手い。

ネタバレ
2026年5月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 天野瑰先生は「寂寞を棄て春を待ち」で知り、少しずつ集めて読んでいます。久しぶりの先生の作品は嬉しく、分冊から手に取り。今回まとまった一巻は、描き下ろしと小説も収録されていてめちゃくちゃ豪華です✨

物語はフィクションなのですが、通信機器、自動車が出てくる所からフランス革命後から産業革命辺りのヨーロッパにある架空の国なのかなと。日本人カイがいるレーデル王国に侵攻した隣国王ライオネルの印象は、天野先生が描く冷酷な男そのもので痺れました。常に緻密に物事を考えている様でいて、感情的にもなる。与えられた王冠というより登り詰めた感のある王で。捕らえたカイに自身の性奴になれと。そしてバシバシッと王がカイを鞭打つのも嫉妬なのかと。それは元レーデル王で幼馴染のエディをエディと呼ぶカイを許さないライオネル。
ムッとした時のライオネルの無言の瞳が怖いんです。そこは天野先生なんです。何かライオネルの背中から出ている怖さもあって最高なんです。その後はバンバン!って、カイは抱かれるんです。抱き方に優しさなんて最初はないんです。なのに不思議…愛が芽生えるんですから…(まだ互いに片側通行)
それはカイがライオネルが人道的に市民を扱っていると知って。王としての統治が優秀だと、カイが彼を認めた所から変わったのかなと思いましたが…そこが良いんですよ。男が男を認めてから変わる関係性。プラトニックから変わっていくから良いんですよ。

カイの生い立ちは、その当時の黄禍論と博愛主義の矛盾から孤児になっても捨てられず、だけど黄色人種として見られるのは変わらず…で先王に引き取られ皇太子エディと王宮で過ごすのですが(虐められるんだけど)この辺りの設定は小説では愛を感じるくらい各人物、細かい設定で。本当に物語にふぁーと入っていけて心地よく読めました。
1番痺れたのは優秀なカイをレーデル王国の人達は認めなかったのに、ライオネルと側近達は認めるんですよ…この違いが良いなと(なのにカイの心にはエディ…)

書き下ろし。可愛いカイの悩みが良かったです。性奴なのにと…ぐるぐる(ぐるぐるしたらそれは恋よーーーー)

続きが待てず、そのまま小説にいきました。どうか…お願いします。編集者、部様。ぜひライオネルがカイを見つけた編やその後の2人などの早瀬先生オリジナルの番外編を電子化して下さい🙇お願い致します。
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