大人の恋愛を描いた表題作の他、神様シリーズのオムニバス短編集とその他1編が入った盛り合わせ作品。
全部で5本の短編が入った短編集です。どの作品も短いのに、それを感じさせないストーリーが盛り込まれていて、とても満足度の高い作品だと思います。テイストも大人の切ない恋愛だったり、ちょっと不思議な神様が出てきたり、叔父と甥っ子という親族同士だったりと全く異なる世界観のもので構成されていて飽きることがありません。この短さにキャラたちの心情を上手く混ぜ、一つのお話として上手くまとめられるのは三月先生ならではの魅力だと思います。
一番恋愛っぽくないですが、神様が荒島と付き合うお話が何故か一番印象に残りました。不思議な力を持つ人にとって、言葉では説明出来ない陽の力を持つ人に側にいて欲しい気持ちは十分特別な想いに感じたからです。神様も癒されたい時があるよね、とほんわかした気持ちになりました。