新刊が出れば必ず購入している作品。戦前から戦後、そして現代まで、様々な時代の様々なエロスのかたちがオムニバス形式で描かれています(所々つながっている箇所もあり)。
私は特に戦中戦後が舞台のお話がどれも好きです。そう遠くない昭和の時代の、どこか懐かしいような、しっとりとした妖艶さを感じさせるキャラとストーリー。その中でも特に印象に残ったのは「マリーゴールド」でした。読んでいてじんわり涙が出てしまった…。
エロスがテーマでありながら、どのお話も卑猥さを感じさせません。ほかの方も書いておられますが、まるで文学作品の漫画版を読んでいるかのよう。絵も丁寧で綺麗、裸体の描き方が肉感的、煽情的で素晴らしい。これは女性も抵抗なく読めるような作品だと思います。気になられた方はぜひ!