公認不倫で夫婦双方とも気持ちは満たされるのか。おとやんが婚外恋愛に浮き足だつ気持ちも、いちこちゃんの何だかざらつく気持ちも、どちらもよくわかる。夫婦として育んできて、今もあるはずのもの。それって何だろう。○ックスを介さなくてもあるはずなのか、それともレスだと失っていく何かなのか。おとやんの不倫相手である美月の家庭や、親、友人、仕事など周囲の人たち、様々なことも含めて、考えさせられ読みごたえありました。おとやんの人柄が本当に優しい。優しくて弱い。でも最後のあの優しさはパートナーだけが与えあえる優しさではないかな。そこに紙切れの関係ではない、恋愛の熱でもない温もりがある。母親への複雑な思いを言わずともわかってくれる、おとやんの思いやりに泣けました。タイトルがちょっと残念かなー。