なんだか、オメガバースの厳しさを凝縮したような作品だと思いました。
akabeko先生、オメガバースは初とのことですが、まるで世界観を熟知して新たな境地に立たれた方の作品のようです。
この世界の被害者(と敢えて言わせていただきます)であるΩ2人の苦悩や葛藤はとても切なくて、特に倫くんは読んでいてしんどくなるぐらい辛い思いをしていましたが、最終的に強く印象に残ったのはα2人の方でした。
誠実で優しく、ゆかへの愛がブレない薫と、これまでの後悔を糧として自身を変えた大我、大袈裟かも知れませんが、読み手にも希望を持たせるような2人です。
動かなければ変わらない。
それは何も空想の世界だけのことではないですね。