社畜SEの男とリーマンの男が、同じ日に同じ終電を逃したことから始まる恋のお話。
終電を逃し、介抱してあげるまではあるとしても、その後ビジネスホテルの同じ部屋に泊まるというのはなかなかない面白い展開です。そんな非日常的な出会いが二人の恋心に小さな火を灯し、距離が縮まっていく過程が丁寧に描かれています。対人関係が苦手な夏目と人たらしの御木。パッと見は正反対な二人ですが、相手を思いやる気持ちだったり、恋に臆病なところが似ていて、だからこそ二人でいてとても居心地が良いのかなと思いました。
恋はゆっくりと、でも順調に進みますが、二人のスタンスは最初の頃の遠慮がちで礼儀正しいまま。こんなにウブで優しい大人の恋愛は見たことがないというくらい、爽やかで静かな恋の物語です。最後までお互いにさん付けで敬語というのも新鮮で良かったです。
続きがあるようなので、単行本になるのを楽しみに待ちたいと思います。