5巻まで読みました。これは…一種の「攻めざまぁ」ではないでしょうか。ほんの遊び心で手を出した相手に我知らず本気になって、みっともなく狼狽えたり追い縋ってみたり…という辺りにざまぁ要素を感じました。直純は、時々(いや結構頻繁に)「いかに智紀が自分を好きで愛されてるか」得意げに口にするけど、その度に「いやー。大口叩いてるけど、割とブーメランだよね」と思っていて、実際その通りになったりするからいつもニヤニヤしながら読んでいました。直純の母親が2人の交際を止めさせようとして「あなた(智紀)に直純は相応しくない」と言うセリフがありますが、矛盾しているような的を射ているような絶妙な言い回しに感心しました。普通に考えて「自分が下で、釣り合っていない」と思う相手に対して「あなたは相応しくない」という言葉は、直球で衝撃的だけど、ストンと受け止められる気がします。だけど逆に「あなたに相応しくない」と言われると、考え込んでしまいます。しかもそれが変に謙遜したり嫌味とかではなく、ある意味正しいと思えることを言っているのでインパクトがあって、普通の身分差シンデレラストーリーとはひと味違うなと思いました。先生、さすがです。北海道の方言も智紀の性格や見た目に合っていて、数々の勘違い?すれ違い?のシーンでいい味を出していたと思います。5冊をあっという間に読んでしまうくらい面白かったです。