大好きなシリーズ。綺麗に完結して良かったです!
1巻ごとにタイトルが違い、ストーリーも巻ごとにまとまっていますが、これは5巻全部を読んで完成形になる作品。少なくとも1巻だけでは伝わらないので、まずはお試しで購入したいという方もまず2巻までは読んで欲しいな。
尊と誠志郎の関係が深まっていくのはもちろん、尊・誠志郎・礼央それぞれの家族像も巻を追うごとにその形が見えてきて、さらに化学反応を起こして変化していくのが読み応えあって良かったです。特に誠志郎の母・芳子さんが、登場前の印象とは全然違って大好きになりました。
内助の功なんて古い感じがしてしまうけど、芳子さんたちを見ていると必要不可欠な存在だなという説得力があったし、そこで尊が奮闘しているのが頼もしい。
礼央はわざとらしくない可愛さで、とにかく幸せを祈りながら見守っていました。誠志郎と尊の接し方がまさにお父さんとお母さんって感じでそれぞれ違うのも微笑ましい。
そして、私は誠志郎がものすごく好みのキャラクターでした!
生真面目だけどちょっとズレたところもあって可愛い。政治家一家という特殊な家に生まれてしんどい部分もたくさんあるだろうに、それでも誠実に強かに使命を全うしていくのがカッコいい。2巻で下衆なオッサンに誠志郎が言い放った言葉には痺れました……!
食えない男の朝倉をはじめ、脇キャラもみんな個性が立っていて、いろんな家族の形があって、とても素敵なシリーズでした。