並の神経しか持ち合わせていない読者はかなり心を掻きむしられると思うので、おげれつたなか先生の怪物シリーズでギリだった方は覚悟して読まねばなるまい。かく言う自分もそうであり、人生に於いて本物の孤独も絶望も虚無も知らんのに感想など書いても良いものなのか?イヤ書くけど。とにかく上手い。絵だけで伝わる情報量が追従を許さない。心情、状況は言わずもがな、キャラのバックボーンやフラグの立ち方まで一瞬で脳に叩き込まれる。読み進めるとじわじわと真綿で全身を絞められていくように出口も足場も無い不安定な処に追いつめられていく。ほぼ灰色の空域に時折り微かな光を与え、直後突き落とされる。痛い所に痛いを重ね続けられると麻痺してしまうが、たまに救われると次の痛みは耐え難い。読者はまんまと翻弄させられる。キャラ立ても抜群である。2人とも愛しくて仕方がない。愛しさのあまり、もう死なせてあげて、と願ってしまうシーンもある。リリース当初あった完結の2文字も消され8月現在9話まで配信されている。この先どう転ぶのか、(浩然の着衣エロにどんな過去があるのか←ソコ!?)第2巻の発売が待たれる。