健気ロン毛の千紘と、影のある美人系ケイト。
もう登場人物からして好みだが、胸に響くストーリーで最終巻が発売されるまでずっと頭に残っていた。
お互いに何も持っていない、共依存のような関係が痛々しく、どこかにほころびが出たらすぐに破滅してしまいそう。
笑顔が印象的な幸せそうな2人の姿がある分、陰に潜んでいる闇も大きく、ずっと不安定でヒヤヒヤさせられた。
先生の設定も素晴らしく、ケイトの箸の持ち方やおもちゃのペンダントなど、胸をギュッと切なくさせるような細かい描写がそこかしこに光っている。
2人を幸せにしてくれ、と思わず自分が神社に拝みに行きたくなるくらいだったので、何もなかった2人が未来へと歩んでいる姿には感動しかない。
秀逸なラストには思わず涙が…
ストーリーは言わずもがな、先生の画力も目を見張る。
人物への影の入れ方も細かく丁寧で、特に裸体はラインも美しく素晴らしいのひと言。色々な汁の描き方も好み。
すっかりおげれつたなか先生(お名前も面白くて素敵です)のファンになってしまった。