ダークな世界でしか生きたことのないケイト。
ゲイだという理由だけで家族から縁を切られ、恋人は結婚し捨てられた千紘。おそらく千尋はゲイだとわかる前に家族愛に触れていたから優しく笑う事ができるし、人を思いやる心が備わっている。
ケイトは家族愛をごく小さい頃に少しだけ触れている。お互い心の片隅には愛と呼べるものがあるからこそ、千紘もケイトもお互いの優しさを見つけることができて惹かれあったのかな。
傷付いた心はそうは簡単には癒せないし、愛を知って受け入れていくのも簡単そうで難しい。愛することも愛されることにも不慣れな彼らには、普通の日常というものがいかに難しいか。けれどおげれつたなか先生の作品は重い話であっても、どこかポップさがあるので読みやすい。
2巻を読んだらすごいエチが多い。恋人ごっこをしているかのような描写。千紘は幸せを感じているけど、ケイトはやはり心が壊れている感じがみてとれる。1巻では救いがあるのかと思っていたけど、2巻のケイトをみていると救いがないのかもと思ってしまった。頭のおかしいヤツから逃げてたけど見つかって千紘が捕まりそうなところで終わった。あまりに2巻がラブラブモードだったのは、3巻でどん底に落とされる前振り?かと身構えてしまう。痛さや闇の雰囲気が少しやり過ぎというか、ちょっと冷めてしまいそうなので、3巻はレビューを見てから買うかも。
3巻でどうなるのかと思ったら、意外と単調で拍子抜けしました。レビュー見てからと思ったけど、気になって気になって。もっと拗らしたりするのかと思っただけに、丸く収まりすぎな気もしますが、ハピエンが好きなので良かったです。
マヤのラストも個人的には好きです。