高校の同級生同士の二人が社会人になっても腐れ縁が続き、その関係性が変化するまでのお話。
真がとにかく真っ直ぐな性格で、気持ちがいいヤツだなと思いました。高校時代数々の悪評があった鏡也に対して、それに振り回されることなくきちんと付き合って相手がどんな人なのか分かりたいという姿勢はとても真摯な対応です。それを無自覚に笑顔で出来る真は、鏡也の見てくれだけでなく内面と向き合ってくれた唯一無二の存在だからこそ長く関係が続いたんだろうと思いました。また、踏み込み方がガッツリで、心を閉ざしていた鏡也の喜怒哀楽を引き出すような真の無垢な性格は周りをも巻き込んで明るくしていくようで、物語の雰囲気も明るくしてくれていたように思いました。隣にずっといたい、いてほしいの気持ちが好きに変化していく過程はちょっと急でしたが、それだけ長い間二人は親友として側にいたんだと思うと関係性の変化すら自然な流れなのかなと感じさせます。
また、合鍵を渡すことへの意味がとても大切に描かれているのが良かったです。男同士の良くある軽いものではなく、頼って欲しいという気持ちだったり特別感を表していて、まさに心の扉の鍵だったんだなと思いました。