衝動買いしてよかった。
最近絵を描き始めたため、心惹かれてこの本を開いた。読めばわかる、震える。
きっと起きた出来事をただ並べただけなら、所謂「学生時代のよくあるお話」に辛い事件が重なった悲しみを描いただけ、になってしまうかもしれない。でも、この作品特有のノスタルジアと絵で語るキャラクターの言葉にはしない気持ちが素晴らしい。言葉ではなくて絵、それもキャラクターの背中や、背景に置かれている本や何気ないランドセルに気持ちが載せられてるように感じた。
勿論「絵を描き続けること」が話を通してずっと描かれているが、それ以上に二人の少女の成長と後悔、そして美しい青春の1ページが色濃く描かれている。
一通り読んでも、もう一度この世界観に浸りたくて最初のページを開いている。
藤野ちゃんはきっと、あの頃つけた二人分のペンネームを背負って今日も漫画を描いている。描き続ける。