コアなファンに支持される小説家と大学生はサイトで知り合った体だけの関係だったが、本屋で遭遇したことをきっかけに心の距離が近づくお話。
これを読んで思ったのは、推しに出会えたのは奇跡であり、運命的だったのではないかということ。体の関係だけの冴えないおじさんが自分の大好きな作家であるというのも奇跡だし、マニアックな作家が自分の小説のファンに出会うことも奇跡。しかも、体の相性もバッチリとなると出会うべくして出会ったという感じでしょうか。
両片思いにそんな秘密があるだけでなく、元彼がDV男というスパイスが加わり、なかなか一筋縄ではいかないのが読み応えのあるところ。それでも読者には充分すぎるほど二人の気持ちが伝わってくるので、安心して読める展開です。合間にあるえちシーンもエロくて、良かったです。
ラストシーンではタイトルを見事に回収。それまでにあった様々な展開を上手く丸く収めた手腕は流石でした。最後まで読んで納得できる一冊です。