日々くらしている過程で、幼い頃のことをふとしたきっかけで振り返るなんて機会はたまにありますよね。夏のプールの消毒槽の匂いだったり、夕方に灯の灯った住宅からの夕飯の準備する匂いだったりがした時の気持ち。別にその幼い頃に戻りたいわけではないけれど、思いがけず、どうしようもなく懐かしくも切なくなってしまう瞬間。そんな時の気持ちを思い出してしまいました。幼馴染の頃に心を交わした友人がそれぞれの人生紆余曲折あって、再び故郷で出逢って始まるお話。BL要素としてはほのかな感じなのですが、それはそれでいいよなー。似たようなストーリーがどうしても多くなってしまうBLの世界ですが、これは独創的で心に響きます。幼い頃の願い通り、二人で生きていくんだろうなって気配もあって満足。