アキオと一緒に読者の自分も熊に心を解してもらうような優しい話でした。結構な人が日々の生活で溜め込んだものってあって、ギリギリのところにいるのかもしれないし、それを引っ張り上げるのも突き落とすのも、最後は小指一本くらいの事かもしれないなあと思います。それと同じように漫画とかで全く自分とかけ離れた物語に救われることもあるし、それを書く人もその身を削って生み出してるんですよね。同人誌とか、自分で書いて創って形にする人達のエネルギーってやっぱり好きだからだろうし、アキオが追い詰められてなんで漫画書いてるんだろうって苦しむのは辛いことだろうなあと沁沁感じました。漫画家が書く漫画家のお話なのでかなり説得力を感じます。業界モノってどんくらい取材とかしてるか分かりませんが、シロウトの自分が想像できちゃう範囲のステレオタイプな漫画ってすごく多いし気持ちが萎えちゃうんですよね…。
アキオの所々で見せる劣等感は長年積み重ねたものだけど、いたずらっ子っぽい笑顔がやっぱり彼本来の姿なんだろうなあとたまにクシャッと笑ったの見られたら熊じゃないけどアキ先輩かわいいよぉ…ってなります。
熊が最初はアキオに憧れて追いかけるように夢を掴んで、現在のアキオに繋がっていくのが普遍的だけど読んでて気持ち良いです。
上下巻あるおかげで、じっくりじっくり描かれていてとても満足。変な当て馬もなくてかなり集中して読めます!双子ちゃんもかわいいし、彼らとの戯れもニコニコで読めます。楽しかった〜