純愛路線で人気の作家が新境地を目指して風俗を経験しようとしたが、間違えて綺麗な男に依頼してしまう。しかしその出会いで快感を教えてもらううちに特別な感情が芽生えていくお話。
作家である良平の奥手でウブで真面目な性格が、誠実さとして全編を通して伝わってきます。ケイの提案に乗るのも作家としての成長を考えた末だし、取材目的でも2ヶ月以上関係を築いてから身の上話を聞くなど、細かい展開から彼の真っすぐさが表れていてとても良かったです。また、ケイもその誠実さをきちんと分かって受け止めていて、同じように優しさで良平に想いを返しているその関係性が素敵だなと思いました。お互いに好みのタイプだった以上に、優しくて思いやりのある関係性に発展していく過程が丁寧に描かれていたと思います。
ストーリーは王道展開ですが、一つ一つの表情や行動にキャラクターの生命が吹き込まれていてそれが読んでいてきちんと伝わってくる作品でした。