愛を知らない人と愛情深い人が出会い、本当の愛を育んでいく話で、目新しさはありません。
でもゲイの雪がどこにでもいそうなサラリーマンなのに、とても愛しさを感じさせるキャラで、この人を愛してあげられる人が美空になるのなら、どうか良き方向にいってくれ!と願いながら読んでしまいました。
美空は人を好きになったことがないし働きもしてないけど、すれた感じはなく後半はとても頑張るので好感がもてました。
背景も人物像もセリフもとてもシンプルで、黒やトーンを多様して全体に暗い雰囲気でありつつ暗くなりすぎず、部長の顔がやたらかわいく描いてあったり、冒頭の美空の登場シーンや、同僚の勘違いの描きかたなどクスッと笑いたくなるところなど、新人の短編映画を観た感じでとても新鮮でした。
ただ、後半の部屋に招き入れるシーンはとても良かったのですが、そこからの告白は早急すぎておもしろみが半減したので、もう一工夫ほしかったです。
よくあるテーマでも、この作者さん独特の描きかたをされそうなので、ほかの作品も出されたら読んでみたいです。