ARUKU先生の作品は二作目の拝読。以前は癖のある絵柄が少し苦手かな、と思ってしまっていたのですが…。
別作品を手に取った際、そんな思いなど吹っ飛ぶくらい素敵なお話で。他の著作も試し読みしてみたら、これが好みの世界観ばかり。絵柄で敬遠していた自分は本当に愚かでした、申し訳ありません😣
あぁ読みたい作品がたくさん、次はどれを…と思う中、まず出版年が一番古いこちらの短編集から行こうと。
あらすじで、全てハッピーエンドのエピソードだと書かれていたことも決め手になりました。
別作品を読んだ際も思いましたが、台詞回しやモノローグがすごく自然というかセンス抜群というか…。変な引っ掛かりなどが一切なく脳内にスルスル流れ込んでくる感じ。
上手い言い回しが見つからないのですが、文字を読んでいて非常に心地良い。どんどんページを捲りたくなる。
バラエティに富む内容のエピソードは素晴らしいものばかり。その中でも私が特に好きなのは“ギャンブラー大竹”と“恋蜘蛛”。
前者は大竹と斉木の夫婦漫才(違)が面白いのと、後者は大好きな帝国陸軍の軍人さんが登場するので(笑)。
また、変な視点かもしれないですがモブの老人の描写がすごくリアル、誰もが実際にいそうな容貌。いい感じのおじいさまたちだな~と唸ってしまった。
私の持論は“本当に絵の上手い方は年配の人物を巧みに描ける方”。つまりそういうことですね😊
これはもう大満足の一冊でした。何度も読み返したくなる作品集です。