記憶をなくした話しなんですけど、すべてが辛かったです。
記憶をなくし混乱し衝突し、けれど真実を話した上で愛が生まれて幸せで、、そこで終われば安っぽいハピエン。
そこから突然記憶が戻ったと思ったら、6年間の幸せな記憶がなくなって、6年よりも前の地獄のような記憶だけが蘇る。そして肝心の事故の記憶だけは戻らない。
そして幼少の頃の幸せのカケラもない記憶と虐 待による幼児後退のような行動や抑えられない暴力。
それでも最後には一筋の光が見えます。
けれど、透がこれだけの波瀾万丈のなか精神を病まずに生きていけるのか。藤島も自身の複雑な出自から家族愛というものを知らずに生きてきてるのに、本当の意味で透を守り愛せるのか。普通に幸せになってほしいのに、この終わり方だと共依存みたいになりそうで後味がよくない。
普通に幸せにって愛し合える関係になった2人が読みたいです(T_T)でも随分前の作品で、番外などもなさそうなので無理ですよね。
しかし麻生みつ晃先生は素晴らしいです。重い雰囲気や痛さを、絶妙な塩梅で描いてられました。これ違う方の絵なら読めなかったかもです。