いい話なんだけど、好みではなかったです。
第一に、難聴になってから航平の出会う人たちがみんな感じ悪い人ばかりで、太一ただひとりが素晴らしい!というのが、どうしようもなく苦手です。
無理解とか、偏見とか、善意の押し付けとか、現実に難聴の方は辛い思いをしているんだなという学びにはなりますが、世の中そんなイヤな人「ばかり」みたいな描き方って何だかな……。
そして、航平の個性があまりに弱すぎる。いつもいつも航平の世界は難聴を中心に回っているみたいな印象で、それ以外の「航平らしさ」がほとんど見えなかった。
唯一よかったのは、美味しそうに食べる太一を見るのが好きで……という一連のエピソードなんだけど、そういう、普通に心を通わせる過程がもっと欲しかったです。草野球なんてせっかくのいい舞台なんだから、懸命に走る航平を見たかった。
結局、二人の心の繋がりさえも難聴・難聴・難聴……で占められているため、ラブストーリーとして不自然なだけでなく、難聴者を描いたドラマとしてもかえって深みがないように感じてしまいました。