不健康な生活を送る小説家くずれの男が、偶然出会った八百屋の男と家呑みをするうちに、無自覚にエロ発言をして煽り、体の関係から恋人へと発展していくお話。
太郎のM気質がとにかく凄い。今まで本当にノンケだったのかと疑う程のMっぷり、乱れっぷりで、ゲイの治樹をあっという間に虜にしてしまいます。本当は恋人を可愛がりたいタイプの治樹をSっぽくさせてしまうほど、太郎のMの引力は凄まじく、見応えがあります。
そんな太郎は、みだらな自分を好きだと言ってくれる治樹のおかげでスランプから脱出。それは善い自分と悪い自分の融合で、仕事への影響から戸惑う場面もありますが、最終的には仕事の幅も広がる結果に繋がり良かったのだと思いました。
太郎の真面目な小説家気質が、えちな自分を抑圧し、一旦は分離させることで上手くいっていたものの、解放されないえちの抑圧の扉を治樹がいい具合に開けてしまったという感じでしょうか。チョロすぎ太郎の相手が治樹で良かったなと思います。