高校の卒業式の日に同級生に告白した男が、振られたものの好きな人が出来るまで毎年誕生日にデートしてやると約束してくれる。そこから10年経ち、ようやく二人の関係に変化が訪れる時を描いたお話。
隆史の切なさや悩みなどはとても丁寧に描かれていますが、そもそも颯のどこを好きになったのか、颯の気持ちの変化のきっかけは何だったのかなどの大事な部分の描写がないので少し感情移入しにくかったです。10年目の節目をきっかけにした数ヶ月の間の気持ちの波が大きかったのは良く分かりますが、実際は高校時代を共に過ごし、その後10年誕生日を一緒に過ごした時間の長さに反して、全体的にあっさりとした印象になってしまった気がしました。
とはいえ、付き合ってからの颯のガツガツした感じは隆史のこれまでの気持ちを考えると嬉しい誤算。ノンケだった颯がちゃんと隆史を好きなことが伝わってきたのは良かったです。