当たり前ですが、マンガは音が出ません。しかし、優れた音楽漫画はリズムが刻まれ、メロディーが聞こえ、心を揺さぶります。作者が渾身の力で描く躍動感溢れる描写と、キャラクターの音楽への純粋な思いが、脳内で音のイメージを増幅させるからかもしれません。喜び、怒り、哀しみ、笑い、やるせなさ、音楽には人間の持つすべての感情が詰め込まれています。音楽を通して描かれる人間ドラマが胸アツな音楽漫画の傑作34作品を紹介します。
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音楽への思いだけは誰にも負けない。形はどうあれ、ひたむきに音楽に向き合う姿勢を貫き続ける。ひたむきな主人公の努力が、やがては人へ世界へ届いていく。頑張る勇気をもらえる王道音楽漫画4作品です。
【あらすじ】仙台の広瀬川で一晩中サックスを吹き鳴らす高校生・宮元大の夢は一流のジャズプレイヤーになること。やりたいことも、なりたいものもなくバスケ部に所属し、普通に大学に進学するつもりだった。しかし、ある日聴いたジャズのアルバムに心惹かれ、ライブハウスで生演奏を聴いたことをきっかけに、ジャズに熱中していく。その後、兄・雅之が食事代を削って購入してくれたサックスによって、ますますジャズにのめり込でいく。大の練習熱心さに打たれた周囲の人からの後押しを受けて夢に邁進していく。
【作品情報】 作者は『岳』『そんでよし!』の石塚真一。2013年から2016年まで小学館「ビッグコミック」にて連載され、全10巻で完結しています。主人公・宮本大の物語はその後も続き、第2部『BLUE GIANT SUPREME』、第3部『BLUE GIANT EXPLORER』、第4部『BLUE GIANT MOMENTUM』が配信中です。2023年には劇場アニメ化されています。
【おすすめするポイント】 雨の日も雪の日も、365日サックスを吹き続ける大。その情熱に感化された周囲の人が秘かに大の夢を後押しし、ジャズミュージシャンとして成長していきます。大が決して生まれながらの天才ではなく、練習を欠かさないコツコツ型であるのにも共感が持てます。夢に向かって努力することの大切さを教えてくれる、胸アツ必至の物語です。
【あらすじ】勉強も運動も苦手。特にやりたいこともない中学生・田中幸雄ことコユキは、14歳にして既に人生に行き詰まり、退屈していた。そんななか、小学校時代の書道教室での仲良しで、見違えるような美少女になった年上の石黒泉の誘いで水泳部に入部する。同じ頃、町でツギハギだらけの犬・ベックを子どもから助けたことで、16歳の南竜介と知り合う。竜介は女は泣かす、借金は踏み倒すなどろくな噂がない男。メンバーとも衝突してバンドは解散し、新たなメンバーを探していた。
【作品情報】 作者は『ゴリラーマン』『ストッパー毒島』『RiN』『7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT』のハロルド作石。講談社「月刊少年マガジン」に1999年から2008年まで連載され、全34巻で完結しています。2004年にはテレビアニメ化、2010年には実写映画化されています。
【おすすめするポイント】 奇妙な犬・ベックが橋渡しになり、内気な少年・コユキと自由奔放だけれど音楽にだけは真剣な竜介というタイプのまったく違う2人が出会い、バンドを組んでプロデビューをめざしていきます。「BECK」を目の敵にしてことごとく妨害する蘭との確執。苦難を経てたくましくなったコユキと竜介の妹・真帆との恋模様も気になります。
【あらすじ】音大生・千秋真一は、子どもの頃から指揮者に憧れていた。しかし、過去に乗っていた飛行機が胴体着陸したトラウマから海外に行けず、不本意ながらピアノ科に在籍していた。担任の江藤教授と訣別した千秋はやけ酒をしてマンションに帰宅したはずが、目覚めると知らない部屋にいた。ゴミだらけのその部屋でピアノを弾いている「のだめ」こと野田恵で、隣室の住人だった。落ちこぼれ生徒担当の谷岡教授の下で、千秋とのだめは連弾に挑戦することになった。のだめの部屋の掃除と並行しながら、楽譜に頼らず感性のままにピアノを弾くのだめの奏法を修正していく。
【作品情報】 作者は『GREEN』『七つ屋志のぶの宝石匣』『天才ファミリー・カンパニー』の二ノ宮知子。講談社「Kiss」にて2001年から2010年にわたって連載され、全25巻で完結しています。2007年から3期にわたってテレビアニメ化され、2006年には上野樹里主演でテレビドラマ化、2009年と2010年には同キャストで実写映画2部作が公開されています。
【おすすめするポイント】 敷居が高いと思われがちなクラシック音楽の世界を一般にもわかりやすく紹介した画期的な作品。また、いわゆる「汚部屋女子」をのだめの生活を通していち早く紹介しています。千秋は指揮者、のだめはピアニスト。音楽家としてのそれぞれの成長をコメディタッチで描いた音楽漫画の名作中の名作。
【あらすじ】 世界的なピアニストの息子・雨宮修平が、とある田舎の小学校に転校してきた。クラスのボス・金平大学は、森の中のピアノを弾いてくるか、ちんこを見せたら仲間に入れてやると迫る。「インバイ」の息子と言われ孤立している一ノ瀬海(カイ)は修平を森へ案内し、ピアノを奏でてみせる。そのピアノはなぜか海にしか音が出せなかった。しかし、修平の家のピアノでは、海の弾き方では音が大きすぎて騒音になる。やがて音楽教師の阿字野壮介先生がかつて一世を風靡した人気のピアニストであり、事故で左手を怪我して引退していたことがわかった。
【作品情報】 作者は『花田少年史』『闇の少年』『13日には花を飾って』の一色まこと。1998年にから講談社「ヤングマガジンアッパーズ」に連載され、2005年「モーニング」に移籍後、2015年に全26巻で完結しています。2007年にアニメ映画化、2018年からはテレビアニメ化され、2期にわたって放送されました。
【おすすめするポイント】 小学校の同級生になった2人が、ピアノを通じて親友として、ライバルとして成長していく物語。 有名なピアニストの息子として英才教育を受けてきた秀才型の修平と、森のピアノの側にいて我流でピアノを身につけた海。まったくタイプの違う2人のライバル物語。ショパンコンクールの末には衝撃のラストが……。ラストまで見逃せません。
たった一つの出会いで運命が変わることもある。ずっと閉じられた人生の扉が人との出会いによって開かれていく。主人公の成長と、関わる人々との人間ドラマに涙する音楽漫画8作を紹介します。
【あらすじ】 天才ピアニストとして注目を浴びていた有馬公正(こうせい)は、11歳のときに母を亡くしたショックで自分の演奏している音が聴こえなくなり、ピアノを断念していた。中学に進学後、幼馴染みの澤部椿に誘われ、サッカー部のモテ男子・渡亮太のことが好きな同級生・宮園かをりとのデートの付き添いを任された。 デート先はなんとヴァイオリンコンクールで、かをりは独創的な演奏で観客を魅了した。第2次予選に進出したものの、伴奏ピアニストに逃げられたかをりは、公正を無理矢理伴奏ピアニストに指名する。 しかし、かをりには秘められた重大な嘘があった。
【作品情報】 作者は『盤上のオリオン』『アトワイトゲーム』『さよなら私のクラマー』の新川直司。2011年から2015年まで講談社「月刊少年マガジン」に連載され、全11巻で完結しています。2014年にはテレビアニメ化、2016年には山崎賢人主演で実写映画化されています。
【おすすめするポイント】 母の死のショックでピアノが弾けなくなり、暗い日常を送る公正の前に、ドSのヴァイオリン少女・かをりが現れ、強引に音楽の道へ引き戻していきます。かをりの影響で再びピアノに向き合う気力を取り戻す公正。公正の心の変化と成長のドラマに魅せられます。さらに、かをりには重大な秘密があり、涙なしでは見られないラストにご期待ください。
【あらすじ】 西見薫は船乗りの父の転勤の都合で転校を繰り返しており、転校先では周囲と打ち解けられず、吐き気を起こすようになっていた。唯一吐き気が止まる場所は、校舎の屋上だった。長崎県佐世保の高校に転校した際、屋上に向かうドアの前に寝ていた川渕千太郎と親しくなる。ジャズドラムに夢中になっている千太郎の影響で、薫はジャズピアノを弾き始める。千太郎の幼馴染みの同級生・迎律子も加わり3人の友情が育まれ、いつしか薫は律子のことが好きになっていた。
【作品情報】 作者は『狼の娘』『青の花 器の森』『月影ベイベ』の小玉ユキ。小学館「月刊フラワーズ」に2007年から2012年まで連載され、全9巻で完結しています。2012年にはテレビアニメ化され、2018年には知念侑李(Hey! Say! JUMP)主演で実写映画化されています。番外編が収録された『坂道のアポロンボーナストラック』も配信中です。
【おすすめするポイント】 性格も境遇も違う2人の高校生が、ジャズを通して心を通わせていく友情物語。衝撃的な出来事をきっかけに一度は引き裂かれた関係が、ジャズによって再び引き合わされていきます。人に心を閉ざしていた薫が千太郎と律子との触れあいの中で人間らしさを取り戻していく姿に心を打たれます。
【あらすじ】 かつて神童と注目されたピアニストだった時矢奏(ときやかなで)は、局性ジストニアという病になり、ピアノが弾けなくなった。7年後、奏は世間から隠れるように工場勤めをし、むなしく日々を過ごしていた。そんな折、隣りの部屋にシングルマザー・横野絵里が引っ越してくる。一人息子の陽向多(ひなた)のピアノに触っているうちに、再びピアノへの情熱の火が灯る。 一方、奏に憧れていた幼馴染みの真琴は、実家の破産という困難を乗り越えてピアニストYouTuberとして活躍していた。奏は工場勤務を3日に減らしてもらい、自分だけが弾ける音を模索しはじめる。
【作品情報】 『mothers』の草原うみの始めての商業連載作品。2023年より小学館「ビッコミ」で連載され、2024年11月時点で2巻が配信中です。
【おすすめするポイント】 一度は夢を諦め、人生に絶望していた青年が再び夢に向かって挑戦する再生と希望の物語。横野親子や工場の先輩、幼馴染みの真琴など、周囲の人の温かさに見守られて、奏のピアノは復活するのか?最後まで見届けてください。
【あらすじ】 ダメ人間の父の下で育った的場周介は、手のつけられない暴れ者。一方、同級生の弓月灯(ゆづきあかり)はそのピアノの才能で「天使の左手」といわれ称賛されていた。ひょんなことから親しくなった2人は、灯のコンクール会場まで自転車で二人乗りすることに。しかし、大型トラックの暴走によって灯は帰らぬ人になってしまう。灯を殺してしまった罪の意識に苛まれビルから飛び降る周介だったが、左手がフェンスを掴み、命拾いした。周介の左手には灯の魂が宿り、天才的なピアノの腕前も乗り移っていた。灯をピアノのステージに立たせるため、周介は灯の父でプロピアニスト御影(みかげ)の指導を受けながら、灯の左手に追いつくために右手の猛特訓を始めた。
【作品情報】 作者は連載デビュー作となる松岡健太。講談社「マガジンポケット」に2020年から連載され、2024年に全9巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 音楽漫画の主人公の演奏の腕前は天才か、まったくの初心者のどちらか。周介は左手に灯の魂が宿ったことで、1人で天才と初心者を二面を持つことになります。周介の努力によって灯の夢だった「世界中を笑顔にすること」ができるのか、注目してください。
【あらすじ】 園田ラッキーは音上家の七つ子の1人だったが、天才ばかりの兄弟たちの中で、唯一凡才といわれていた。両親の離婚後、ただ1人母に引き取られたが、病弱な母はずっと入院。ラッキーは叔母から奴隷のような扱いを受けていた。ピアノが弾けるのは母の病室にいるときだけだった。四谷音楽高校を受験すると、ピアノの演奏は下手だったものの、講師ので出田英雄(でたひでお)から立体的なピアノを弾くと評価され合格する。
【作品情報】 作者は『対世界用魔法少女つばめ』のマポロ3号。2021年から2023年まで集英社「週刊少年ジャンプ」に連載され、全8巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 天才ぞろいの兄弟たちの中で唯一凡才とされ、意地悪な叔母から虐待されて、家事を押しつけられるラッキー。おとぎ話の要素がありながら、進学した音楽高校のカリキュラムには「聴音」があるなど、現実に即しています。作者独特の音の表現が、ラッキーの演奏の独自性を効果的に強調しています。
【あらすじ】 名門の音大である栄光をめざす菊名和音(かずお)は、実力不足で浪人していた。そんなときに、少年野球で長い指を活かした変化球でエースとして活躍する少女・成瀬うたと出会い、ピアノを教えることになる。和音の家のオンボロピアノでも美しい音色を響かせるうた。和音はうたの才能に驚き野球をやめさせようとするが、うたは聞く耳を持たない。うたの母は水商売をしてうたのピアノ環境を維持していた。うたはピアノジムに通って指の力と柔軟性を鍛えるトレーニングをしているため、フォークボールが投げられるのだ。ある日、ミスをなじったチームメイトと言い争いになり、うたは対決することになる。
【作品情報】 作者は『花』『バリ島物語~神秘の島の王国、その壮麗なる愛と死~』『マエストロ』『さよなら群青』のさそうあきら。双葉社「漫画アクション」に1997年から1998年まで連載され、全4巻で完結しています。2007年に成海璃子主演で実写映画化されています。
【おすすめするポイント】 ピアノで鍛えられた音感で、打球が飛ぶ位置を予測できたり、投手が投げる音でどんなに速い球も打てたりと、冒頭は「野球漫画?」と勘違いしてしまいそうなうたの野球の天才ぶり。次第にピアノ一本に力を入れるようになるうたですが、ピアニスト生命を脅かす危機が訪れます。うたは困難を乗り込えることができるのか? うたと和音の絆が熱い音楽漫画です。
【あらすじ】 海野清澄は21歳でマンションの管理人をしていた。DTMで好きな音楽作りを自分だけで楽しむ。それだけで満足だった。しかし、清澄の部屋からの音漏れが苦情になっていた。ところが、マンションの住人の岸本潮(うしお)にとって、その音は失恋の痛みを消す救いだった。音漏れと潮の窓ガラスを割った件でマンションを追い出された清澄は、潮の新しい部屋に居候してDTMを続ける。清澄が音楽を作る動画を潮が撮って拡散すると、それがバズって音楽事務所に注目を浴びるようになる。
【作品情報】 作者は『ホロウフィッシュ』のむつき潤。小学館「ビッグコミックスピリッツ」に2018年から2020年に連載され、全5巻で完結しています。2024年に川西拓実(JO1)主演で実写映画化されています。
【おすすめするポイント】 DTMやSNSでのバズりなど、最新の音楽シーンを取り入れながら、あくまでも好きな音楽を自分の楽しみのために作るという清澄の姿勢が格好良いです。ヒロイン潮との出会いで、1人だけの楽しみだった清澄の音楽が、次第に広がっていく様子にワクワクします。
【あらすじ】 OLの井上芽衣子はセクハラ気味の上司や退屈な仕事にも、デザイン事務所でアルバイトをしながら売れないバンドを続ける同棲相手の種田のために我慢し続けていた。しかし、ある日不満が爆発!勢いで会社をやめてしまう。種田もバイトをやめてバンド活動とアルバム作りに専念した。しかし、マスコミの反応はまったくなし。ついに芽衣子の貯金もつきかけたとき、種田は突然失踪してしまう。数週間が経ち、種田はデザイン事務所の仕事を再開したと連絡があった。その後、種田の人生に決定的な出来事が起きてしまう。
【作品情報】 作者は『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』『おやすみプンプン』『MUJINA INTO THE DEEP』の浅野いにお。2005年から2006年まで小学館「週刊ヤングサンデー」に連載され、全2巻で完結しています。2010年には実写映画化されています。『ソラニン 新装版』には、それぞれのキャラクターの11年後の姿が描かれた後日譚も収録されています。
【おすすめするポイント】 バンドをテーマにした漫画といえば、一心不乱に努力して夢に向かって走って行く――という内容が多いのですが、成功するバンドは一握り。多くのバンドが夢半ばで消えていくのが現実です。種田のバンドもその一つですが、成功はしないものの、作品のラストで燃焼した青春の結晶が生まれます。青春が終わった人にも真っ只中の人にもジーンとくるほろ苦バンド漫画です。
最もどっぷり音楽に向き合えるのが学生時代。二度と戻らないかけがえのない時代を、部活、コンクール、バンド活動、それぞれのステージに全力で挑むキャラクターたちが愛しい青春音楽漫画12作。
【あらすじ】 箏曲部部長の倉田武蔵(たけぞう)は優しくしてくれた箏曲部の先輩・真白(ましろ)の思いを引き継ぐために、廃部を阻止すべく新入部員を募集していた。しかし、部室は不良の溜まり場と化していた。不良たちを追い出したのは中学時代に警察沙汰の事件を起こしたという新入生・久遠愛(くどうちか)だった。愛は部の看板を奪い、生徒に暴行した罪を疑われた。しかし、それは愛の祖父が創始した箏曲部を守るためだった。箏曲部存続のための部員集めが始まった。
【作品情報】 作者は本作が連載デビュー作となるアミュー。集英社「ジャンプスクエア」にて2012年から連載され、2024年8月時点で31巻が配信されています。2019年から2クールに渡ってテレビアニメが放送されました。
【おすすめするポイント】 真面目一筋の武蔵と喧嘩っぱやい愛。全く真逆な2人ですが、箏曲部への熱い思いは同じ。2人の願いが叶い、箏曲部は大所帯になって全国大会に出場できるまでに。箏曲部の成長と共に武蔵と愛の成長も楽しみな作品です。
【あらすじ】 16歳の三味線奏者・澤村雪(せつ)は祖父で三味線の師匠でもあった松吾郎が亡くなったために三味線が弾くことができなくなった。そこで、自分の音を探すため何のあてもなく上京した。キャバクラ勤めをしながらアイドルをめざす立樹ユナの部屋に泊めてもらい、何とか寝床は確保できた。ユナは恋人・タケトのバンド活動にお金を援助していた。ユナの金に依存するタケトに反発した雪だったが、タケトのバンドのステージに前座で出演すると、観客を魅了した。
【作品情報】 作者は『吸血鬼と愉快な仲間たち』『赤ちゃんと僕』『しゃにむにGO』『いつでもお天気気分』の羅川真里茂。講談社「月刊少年マガジン」にて2010年から2022年まで連載され、全31巻で完結しています。2021年にテレビアニメ化されました。
【おすすめするポイント】 16歳ながら津軽三味線を奏でる雪の佇まいは美しく、実際に響きが聴こえてくるような臨場感です。あてもないのに津軽を出て東京で居候。一転、母に強引に通わされる私立梅園学園など、場所を移しながら雪の情熱は真っ直ぐ津軽三味線に向いていきます。
【あらすじ】 青野ハジメはプロヴァイオリニストの父が離婚して家を出て行って以来、ヴァイオリンを封印をした。強みをなくしたハジメは勉強も運動も苦手な凡人で、輝きを失っていた。体育のバスケでボールを顔面に受けて鼻血を出したために保健室で寝ていると、下手なヴァイオリンの音が聴こえてきた。高校でオーケストラ部への入部を目指して練習する秋根律子だった。担任教師の武田の頼みで、ハジメは律子のコーチをすることになる。律子を指導するうちにハジメに再びヴァイオリンへの思いが復活する
【作品情報】 作者は『猛禽ちゃん』『心が叫びたがってるんだ。』『ゼクレアトル~神マンガ戦記~』の阿久井真。2017年に小学館「マンガワン」「裏サンデー」にて連載され、2023年3月時点で11巻が配信中です。2023年にテレビアニメ化されました。
【おすすめするポイント】 ハジメと律子は海幕高校に進学し、オーケストラ部に入部。本格的にオーケストラにどっぷり浸かる毎日がスタートします。因縁のある最大のライバルが登場したり、ハジメと律子の恋が動き始めたりとますます盛り上がっていきます。オーケストラを通じて青春が躍動する音楽漫画の傑作です。
【あらすじ】 兵庫県明石市の県立松籟(しょうらい)高校に進学した宇宙零(たかおきれい)は、中学時代には吹奏楽部でトランペットを吹いていたのに途中で辞め、ほかの生徒と距離をとっていた。実は持病のぜんそくが悪化し、吹奏楽を断念していたのだ。吹奏楽部がないと聞き進学した高校で、1年前に吹奏楽部を立ち上げたていたのが部長の星野水音(みお)だった。零は水音のトランペットの音色に心を打たれる。1人部屋に籠もってピアノで脳内吹奏楽を楽しんでいた零に、水音は吹奏楽部の指揮者になるように誘った。
【作品情報】 作者は本作が連載デビューとなる山本誠志。講談社「月刊少年マガジン」に2022年から2023年まで連載され、全3巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 ぜんそくのためにトランペットを断念した零が、先輩である水音との出会いによって再び人と息を合わせて音楽を奏でる喜びに目覚めていきます。しかし、そんな幸せな日々は長くは続かず、やがて2人は決断を迫られます。感動のラストが余韻をもたらす青春のきらめきが眩しい一編です。
【あらすじ】 主人公・神峰翔太(かみねしょうた)は人の心がわかる目の持ち主。しかし、人の本心がわかっても、関わって良い方向にいった試しはない。そのため人との接触を避けるようになっていた。人生に絶望していた翔太に、吹奏楽のサックスの音色が聴こえてきた。天才サックス奏者・刻阪響(ときさかひびき)の音色は人々の心をわしづかみにして癒している。そんな響の悩みは幼馴染みの滝沢桃子のことだった。ボーカリストだった桃子は喉を酷使しすぎて声を失っていた。桃子にだけは、響の演奏も届かない。翔太の導きによって響の演奏は桃子の心に届いた。声が出るようになったのだ。響は翔太に吹奏楽の指揮者になるように誘われた。2人は毎回代表落ちするダメ金から脱出し、全国大会出場を目指す。
【作品情報】 作者は『LIGHT WING―ライトウイング― 』『地球の子』『瞬間探偵 平目木駿』の神海英雄。集英社「週刊少年ジャンプ」「少年ジャンプNEXT」「少年ジャンプ+」と移籍しながら2013年から2016年まで連載され、全11巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 響に友達と言われ、心を閉ざしていた翔太が初めて人に心を開くようになります。しかし、音楽未経験の翔太が吹奏楽部員に指揮者として認められるまでは前途多難。人の心が見える特殊能力を駆使して、それぞれのパートの問題を解決し、部を一つにまとめていきます。 人に否定されることを恐れて怯みそうになる翔太を響が支え、壁を突破する姿が痛快です。
【あらすじ】 憧れの少女への告白に破れ、傷心の中3・白波瀬歩は哀しみを吹き払うために夜の公園でトランペットを吹いていた。トランペットの音色に合わせて、ホルンの音がまるでセッションのように響き合う。ホルンを吹いていたのは音楽の響きにエクスタシーを感じる美少女・芹生(せりゅう)百合子だった。高校に進学し、百合子と再会した白波瀬が再びトランペットを吹くと、百合子は我を忘れて白波瀬を裸にして体を密着してきた。百合子は音楽に恍惚とすると我を忘れてしまう特異体質だった。百合子と白波瀬は廃部寸前の吹奏楽部を復活させる。普段はクールな百合子が音楽に乗ってくると思いもよらないセクシーな行動を取って、男子部員たちをドギマギさせてしまう。
【作品情報】 作者は『健康で文化的な最低限度の生活』『いぬ』『地平線でダンス』『失恋日記』の柏木ハルコ。小学館「週刊ヤングサンデー」に1999年から2000年に連載され、全5巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 連載デビュー作「いぬ」で女性の性欲を正面から描いた作者が、今度は音楽に性的なエクスタシーを感じてしまう少女を描きます。誰でも好きな音楽に陶酔すると、陥ってしまう状態を包み隠さず表現します。普段は無表情で冷静な百合子が音楽が盛り上がると、淫らな表情に変わるのがセクシーで格好いいです。
【あらすじ】 吹奏楽と野球の名門北海道白翔高校に進学した小野つばさ。中学まで周囲に反対されて吹奏楽は初心者だった。入部の条件であるゴム風船を膨らませることができず落ち込むつばさに、野球部に入った山田大介が励ます。大介が甲子園に行き、つばさが吹奏楽で応援する姿を思い描き2人は夢に向かって歩み始める。全国トップレベルをめざす吹奏楽部にとって初心者のつばさは足手まといでしかなく、1年生部員から吹奏楽部を辞めるように言われてしまう。つばさと大介は励ましあいながら、夢に向かって進んで行く。
【作品情報】 作者は『太陽よりも眩しい星』『素敵な彼氏』『俺物語!!』『先生!』『高校デビュー』『先生!MCオリジナル』の河原和音。集英社「別冊マーガレット」にて2008年から2015年まで連載され、全19巻で完結しています。2016年には土屋太鳳主演で実写映画化されました。
【おすすめするポイント】 部活にすべてを捧げる高校3年間を描く青春漫画。お互いが逆境のときも励まし合って苦難を乗り越えていきます。その友情がやがて恋心に発展……。2人の恋は成就するのか?一緒に甲子園に出場する夢は叶うのか? 2人の絆がまぶしい青春漫画です。
【あらすじ】 ミュージシャンの父・拓海(たくみ)の影響で、エレキギターの演奏が大好きな保坂摩音(ほさかまお)。バンド「アルタゴ」を率いる大学生・高瀬は事故死した弟・チアキに代わって、ギター担当として誘われる。転校生の支倉夜祈子(はせくらよきこ)は美人で人を寄せ付けないが、摩音と親しくなる。夜祈子は拓海の所属していたバンドのファンだった。摩音は保坂にボーカルとして夜祈子を紹介する。
【作品情報】 作者は『黒鉄』『LUNO』『羊のうた』『百木田家の古書暮らし』『イエスタデイをうたって』の冬目景。2016年に幻冬舎「月刊バーズ」で連載開始、2018年に全3巻で完結しています。講談社「イブニング」に連載された続編『空電の姫君』全3巻も配信中です。
【おすすめするポイント】 部活道もせずに、ひたすら父のギターでの演奏に夢中になっている摩音。高校生らしくないオーラを放ち、同性から嫉妬の目で見られる夜祈子。容姿も性格もまったく違うけど、周囲から浮いている2人が意気投合して、バンド活動に没頭していきます。2人はステージで輝くことができるのか? 魅力いっぱいの摩音と夜祈子の行く末に目が離せません。
【あらすじ】 高校生になる鳩野ちひろは、ギターを弾いたこともないのに、軽音部に入るために無理をして楽器店でフェンダーテレキャスターを購入。同じ店でギターを試奏していた男子とは、偶然同じ軽音部に入ったのに、3年間良い感じになることはなかった。仮入部した軽音部は総勢45人。さっそくバンド仲間ができる部員もいるが、ちひろは誰とも話をすることができなかった。しかし、家に帰ってギターを手にすると、気分は高揚するのだった。
【作品情報】 原作はクワハリ。作画は『野球場でいただきます』の出内テツオ。集英社「少年ジャンプ+」で連載され、2024年11月時点で4巻まで配信中です。
【おすすめするポイント】 『けいおん!』のように廃部寸前の軽音部に美少女たちが集まって復活させるなどのドラマチックな展開はありません。ヒロインも絶世の美少女ではない、ごく普通の女子高生。軽音部員もたくさんいて、部員一丸となって力を合わせることもない。ごく普通の高校生のごく普通の部活動が逆に新鮮。なんだかんだいって部活動で青春を謳歌するちひろに共感して、応援したくなる作品です。
【あらすじ】 朝桜小雨(あさくらこさめ)はお年玉をはたいて買ったギターを猛練習し、愛しの同級生に告白したものの、彼女にはバンドマンの彼氏がいて玉砕してしまう。見返すために明狼学院に進学したが、軽音部は既に廃部になっていた。ところが、軽音部は「金属理化学研究部」略して「メタりか」とカムフラージュして存続していた。小雨は先輩たちのバンド「メタルりかちゃん」の演奏に魅せられメンバーに加入することを夢見る。しかし、公開実験と称したライブで演出用の爆破ギターが予想以上に爆発し、50万円の請求が……。先輩のボーカル・鷹木由多加がレアギターを売却して廃部は免れた。しかし、小雨はメンバーに入れてもらえない。小雨は一からメンバーを集めて新たなバンドを結成しなければならなかった。
【作品情報】 作者は『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』『I AM SHERLOCK』の高田康太郎。小学館「ゲッサン」に2009年から2015年まで連載され、全15巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 地味目な性格の主人公・小雨に対して、「メタりか」の部員一人ひとりがそれぞれ個性的。クセの強いキャラクターに振り回されながら、バンドを結成しつつ、部員たちと力を合わせて「メタりか」を盛り上げていきます。一方、バンド活動をすることでモテ男に変身した小雨が、美少女2人に揺れ動く恋愛要素も見逃せません。
【あらすじ】 私立桜が丘女子高等学校軽音部。新入部員は田井中律ただ1人。部員が4人いないと廃部になるため、幼馴染みの秋山澪、合唱部と間違えて部室に来た琴吹袖(ことぶきつむぎ)を強引に部に加入させた。残る1人、平沢唯はトライアングルしか演奏したことがないド素人だった。軽音部を軽い音楽をするだけの部と勘違いし、入部。触ったこともないのにギター担当にさせられてしまった。
【作品情報】 作者は本作が連載デビュー作で出世作となるかきふらい。芳文社「まんがタイムきらら」および「まんがタイムきららキャット」にて2007年から2012年まで連載され、全6巻で完結しています。2009年から2期にわたってテレビアニメが放送され、2011年にはアニメ映画化されました。スピンオフ作『けいおん! Shuffle』『けいおん! highschool』『けいおん! college』も配信中です。
【おすすめするポイント】 可愛い女子高生がへたっぴながらもバンドを結成し、バンド活動をするコメディ。のちに新入部員・中野梓(あずさ)が加わり、わちゃわちゃと騒ぎなら、地道に練習を重ねていきます。5人全員がボケ担当で4コマの中に必ず軽い笑いがあって癒されるバンド漫画です。
【あらすじ】 蒼井由多香(ゆたか)は感受性豊かな中学生。合唱部の歌声に感動して入部を決意した。しかし、男性部員が少なく混声合唱はできないと断られる。ところが、由多香の歌声を聴いた副部長の町屋翠(みどり)の後押しで、由多香は女子に混ざってソプラノになった。小柄で小学生にしか見えない由多香は変声期前の透き通った声で人々を魅了した。由多香の参加が刺激になり合唱部はコンクールの金賞を目指して練習を重ねていく。
【作品情報】 作者は『隠の王』『しまなみ誰そ彼』『ヒラエスは旅路の果て』『ぶっしのぶっしん 鎌倉半分仏師録』の鎌谷悠希。講談社「モーニング・ツー」「月刊モーニング・TWO」に2010年から2014年まで、連載され全8巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 小柄な由多香はピュアな心の持ち主で、誰もが守りたくなるような天使のような存在。もう1人の由多香ともいうべきロシアのボーイ・ソプラノ歌手・ウラジーミル・イリノチ・ポポフの登場でさらに物語は盛り上がります。しかし、ウラジーミルにも由多香にもボーイ・ソプラノとしての宿命の瞬間がやってきます。変声期を迎えた2人はどのような道を歩むのか?由多香が下した決断とは?
ちょっと強引な設定でも、独特のグルーヴ感で現実を笑い飛ばす。ノリノリのキャラクターに魅せられて、日常の憂さや悩みもぶっ飛ぶ、読むと元気が出るおもしろ音楽漫画6作品です。
【あらすじ】 主人公の中学生・後藤ひとりはバンドなら陰キャでも輝けると思い込み、父のエレキギターで毎日6時間練習していた。しかし、あっという間に中学時代は終わってしまった。高校でこそバンドをやると決意したが、人に声をかけられず、ネットにアップしている音源への反応だけが唯一の生きがいだった。ようやく2年生の伊地知虹夏(いじちにじか)から、バンド「結束バンド」のサポートメンバーに誘われる。しかし、ずっとソロ演奏ばかりしてきたひとりは始めてのステージに怯える。なんとか乗り切って、バンド活動の楽しさを味わった。
【作品情報】 作者は『きらりブックス迷走中!』のはまじあき。2018年から芳文社「まんがタイムきららMAX」に連載され、2024年10月時点で7巻が配信中です。くみちょう作画によるスピンオフ作品『漫画:ぼっち・ざ・ろっく!外伝 廣井きくりの深酒日記』3巻も配信中です。2022年にはテレビアニメ化されました。
【おすすめするポイント】 ずっとぼっちだったひとりは、いざバンドに加入しても、コミュ障過ぎてどこかトンチンカン。そのぎこちなさと、1人で黙々と練習してきたギターの才能とのギャップが笑えます。バンドに加入してから、ライブ活動を通して成長していくひとりの姿を応援したくなる漫画です。
【あらすじ】 「デトロイト・メタル・シティ」は破滅的かつ暴力的な歌詞とド派手なメイクとパフォーマンスで人気の悪魔的デスメタルバンド。特に作詞作曲を担当するボーカル・ギター担当のクラウザーは、バンドの中心人物として注目を集めている。しかし、その正体は根岸崇一(そういち)23歳。地味で大人しい青年で彼女もいない。本当はおしゃれなポップバンドを作りたかったのに、事務所のドSの女社長の圧に押されて、仕方なくデスメタルを続けていた。電車では痴漢に間違えられ駅員に取り押さえられた。その怒りをライブのパフォーマンスで爆発させると、痴漢呼ばわりした女が客席にいた。なんと彼女はクラウザーの大ファンだったのだ。クラウザーとしてデートに誘うことができたものの……。
【作品情報】 作者は『ドランクキョンシーズ』『みんな!エスパーだよ!』『明日のエサ キミだから』『KAPPEI』の若杉公徳。白泉社「ヤングアニマル」にて2005年から2010年まで連載され、全10巻で完結しています。2008年には松山ケンイチ主演で映画化されています。
【おすすめするポイント】 素顔の地味真面目の崇一と破壊的なカリスマ・クラウザーのギャップが笑えます。誰もが「人から注目される人気者になりたい」という願望はあるはず。しかし、崇一のようにやりたくない方向性の音楽だったり、ステージの上では騒がれても私生活では見向きもされなかったら辛いですよね。現在人気のカリスマ達も実は人知れず苦労しているとしたら、ちょっとホッとしますね。崇一の泣き笑いに共感できるコメディ漫画です。
【あらすじ】 本田紫織(しおり)は生徒や校長からも名前を覚えてもらえないほど地味な教師「ジミセン」だった。兄・丈二が残した多額の借金を返済するため自分の本来やりたかったバンド活動を諦め英語教師をしていたのだ。そんな折、ふとエレキギターを手にしたために、27歳の若さで亡くなった伝説のロックギタリスト「ジミ・ヘンドリックス」の霊が取り憑いた。吹奏楽部の演奏に乱入し、生徒たちを熱狂させる。そして、ブルース界のクロスロードの伝承から「27歳になるまでに音楽に伝説を残さなければ死ぬ」と伝えられる。 紫織は軽音楽部を立ち上げて部員たちとバンド「SHIORI EXPERIENCE」を結成、バンドコンテストに挑んでいく。
【作品情報】 作者は『新撰組刃義抄 アサギ』の町田一八。作画は『TIGER MASK -シャドウ・オブ・ジャスティス-』『RUN day BURST』の長田悠幸。2人のコンビ作には『キッド アイ ラック』があります。スクウェア・エニックス「月刊ビッグガンガン」に2013年から連載され、2024年5月時点で22巻が配信中です。
【おすすめするポイント】 「EXPERIENCE」はジミヘンが率いていたバンド名です。何かに挑戦したいのに人の目が気になったり、失敗するのが怖くて二の足を踏んだりするとき、憧れのスーパースターが側にいて背中を押してくれたら……。そんな願望を叶えてくれる夢のような作品。伝説のギタリスト「ジミヘン」のブルースかブルースじゃないかの一言で、未知の世界に踏み込んで行く紫織に拍手喝采。挑戦する勇気をもらえる漫画です。
【あらすじ】 三国志のクライマックス「死せる孔明、生ける仲達を走らす」の場面。軍師・孔明の命も今や力尽きようとしていた。「次の人生では平和な世界に生まれ変わりたい」と願った孔明。目を覚ました先は地獄だと思ったものの、実は現代日本の渋谷だった。ハロウィーンのその夜、孔明は現代日本に転生していた。クラブで歌う月見英子の歌声に魅入られた孔明は、英子を影でプロデュースしてメジャーの表舞台に立たせると決意する。その軍資金を集めるために英子のバイト先のクラブでバーテンとして働くことになった。
【作品情報】 原作は『没落令嬢のお気に召すまま~婚約破棄されたので宝石鑑定士として独立します~』『転生大聖女の異世界のんびり紀行』『魔法空艇の案内係』『異世界で聖女になった私、現実世界でも聖女チートで完全勝利!』の四葉タト。作画は『赤橙』『私人警察』の小川亮。講談社「コミックDAYS」に2019年から連載され、2024年11月時点で19巻が配信中です。2022年にはテレビアニメ化、2023年には向井理主演でドラマ化されました。
【おすすめするポイント】 三国志の人気ナンバー1キャラの諸葛孔明がなぜか現代の渋谷に転生。似合わないはずの渋谷のクラブになぜかマッチ。月見英子の歌声に惚れて、前世で培った兵法と風水の技を駆使して英子をプロデュース。軍略を用いて英子を表舞台に導きます。
【あらすじ】 H歴。すべての武器がなくなり、戦う手段は言葉だけに。ヒプノシスマイクという特殊なマイクを使って勝負を決める近未来のお話。伊弉冉一二三(いざなみひふみ)はチャラい性格と軽いおしゃべりで次々と女性をトリコにする人気ホスト。しかし、それは表向きの姿で、実は極度の女性恐怖症。スーツを着ているときだけ別人格になるのだった。客の女性の一人がストーカー化し、一二三は命を狙われてしまう。医師の神宮寺寂雷(じんぐうじじゃくらい)の療法により、ストーカーの難から逃れた。その事件をきっかけに、一二三は寂雷から親友・観音坂独歩(かんのんざかどっぽ)と共にラップチーム「新宿ディビジョン」のメンバーに誘われる。
【作品情報】 原作はキングレコードのレーベル「EVIL LINE RECORDS」。作画は『深紅の令嬢は自己肯定感低め!』の城キイコ。シナリオはライトノベル『オール・ジョブ・ザ・ワールド 』『THIS IS IT! 制作進行東雲次郎』の百瀬祐一郎。一迅社「月刊コミックZERO-SUM」に2019年から2020年まで連載され、全3巻で完結しています。同じ『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』シリーズのコミックも多数配信されています。
【おすすめするポイント】 人気声優がキャラクターの声を担当しラップバトルをするプロジェクトのコミカライズ。本作では新宿ディビジョンと渋谷ディビジョンとのバトルを中心に展開していきます。ラップで勝負が決まる社会は暴力なしの平和な決着なので、理想の世界ですね。登場するキャラクターはそれぞれ独自の個性を持ったイケメンばかり。声優ファンだけでなく、コミックだけ読んでも充分楽しめる中身になっています。
【あらすじ】 東京渋谷のトンカツ屋「しぶかつ」の3代目・勝又揚太郎(あげたろう)はキャベツの千切りもまともにできない半人前。店を継ぐつもりはサラサラなく、店の仕事をさぼってクラブカルチャーにどっぷりハマっていた。ところが、クラブにアメリカの伝説のDJ「BIG MASTER FRY」が来店してみると、刻むBPMは千切りと同じだった。とんかつとDJは同じだとMASTER FLYから薫陶を受けた揚太郎は、トンカツ屋とDJの二足のわらじの道を進んで行く。
【作品情報】 原案がイーピャオで、漫画は小山ゆうじろう。集英社「少年ジャンプ+」で2014年から2017年までに連載され、全11巻で完結しています。2016年にはテレビアニメ化、2020年には北村匠海主演で実写映画化されています。
【おすすめするポイント】 とんかつ屋とDJというまったく違う2つの道を行くアゲ太郎。一見チグハグなのに味のある緩いペンタッチが世界観とマッチ。楽しく自分のやりたいことを楽しんでいる人も、一人前になるために厳しい修行をしている人も人生がハッピーになる、理屈抜きで笑えるアゲアゲDJ漫画です。
音楽への情熱は純粋で真っ直ぐでも、恋愛は純粋さだけではうまくいかない。自分の心に素直になれなかったり、ライバルがいたり、障害があったり……。恋の行方が気になってヤキモキする音楽漫画5作品です。
【あらすじ】 小松奈々は女子高生にもかかわらず既婚男性と不倫するなど、恋愛体質。デザインの専門学校で知り合った遠藤章司が東京の美大に行くと、追いかけて東京の美大へ進学。一方、もう1人のナナ、大崎ナナは両親がいない天涯孤独の身。ミュージシャンを目指して何のあてもなく東京へ向かう。偶然同じ新幹線の隣りの席になった2人は、偶然にも同じ物件を借りるつもりだった。2人はルームシェアして一緒に住むことに。
【作品情報】 作者は『天使なんかじゃない』『ご近所物語』『Paradise Kiss』の矢沢あい。集英社「Cookie」にて2000年から連載され21巻まで配信中です。テレビアニメは2006年、実写映画は2005年から中島美嘉主演で2回にわたって制作されました。
【おすすめするポイント】 環境も性格もまったく違う2人のナナですが、バンド活動を通じて人生が絡み合っていきます。強い意志を持ってミュージシャンの道を進む大崎ナナの生きざまを描くのはもちろん、人生の中心に恋愛があり、恋人が変わるたびに流されている小松奈々は普通の女子の代表的存在。2人の主人公の青春が同じ比重で描かれます。2人が相手に送るモノローグが詩的で胸に残ります。
【あらすじ】 デビュー曲がいきなりヒットチャートに躍り出た人気バンド「クリュードプレイ」。楽曲担当の小笠原秋はメジャーデビュー決定後に脱退する。しかし、プロデューサーの高原総一郎名義で発表されている曲もすべて秋が作っていた。秋は総一郎がすべてをコントロールしている状態に耐えられなかったのだ。顔が公表されないまま脱退したため、秋の素顔を知るものはいない。ある日、鼻歌を歌っていたときに、その声と顔によって小枝理子に一目惚れされ、正体を明かさないまま2人は付き合うことに。理子が組んだバンドも注目される。理子をスカウトしたのはまたも総一郎だった。
【作品情報】 作者は『虹、甘えてよ』『僕は妹に恋をする』『僕の初恋をキミに捧ぐ』の青木琴美。小学館「Cheese!」に2009年から2017年まで連載され、全22巻で完結しています。2013年に佐藤健主演で映画化されました。
【おすすめするポイント】 正体を明かしていない秋と真っ直ぐな理子とのピュアな恋に、胸が締め付けられます。一方で、総一郎プロデューサーに象徴されるように、音楽業界の闇の部分がリアルに描かれています。汚れた世界の中で2人は純粋な恋と音楽への情熱を貫けるのか?
【あらすじ】 榛名優(はるなゆう)は、両親が海外赴任したため、姉妹と共に東京で暮らすことになった。転入した学校で会ったのは、町で偶然ぶつかって殴ってきた少女・秋月風夏(ふうか)だった。 優と幼馴染みで、歌手デビューした氷無小雪(ひなしこゆき)の曲が好きなことで意気投合。 優と風夏は、同級生・三笠真琴と共にバンドを結成し、ライブに向けて練習を重ねていく。
【作品情報】 作者は『女神のカフェテラス』『君のいる町』『ヒットマン』『CROSS OVER』『涼風』の瀬尾公治。講談社「週刊少年マガジン」にて2014年から2018年まで連載され、全20巻で完結しています。2017年にテレビアニメ化されています。
【おすすめするポイント】 天真爛漫でショートカットが似合うヒロイン・風夏の輝きが飛び抜けて、その姿に釘付けに。風夏の行動力に引っ張られて、バンドが始動しますが……。突然、漫画史上前代未聞の事態が発生。想定外の出来事に主人公・優はどこへ向かうのか? バンド活動を通じて限りある人生をどう生きていくのか考えさせられる作品です。
【あらすじ】 音楽科に伝統のある星奏学園が不定期に行う音楽コンクールの追加メンバーに選ばれたのは、普通科の日野香穂子だった。香穂子は楽器未経験。それなのになぜ? 学園を見守る、音楽による幸せを司る妖精フォータが見える香穂子。フォータから見出された香穂子は誰でも弾くことができる魔法のヴァイオリンを授けられる。イケメン揃いのコンクールメンバーに混ざって、音楽と恋の毎日が始まる。
【作品情報】 原作はコーエーから発売された同名の乙女ゲームで、開発チーム「ルビー・パーティー」の作品です。コミカライズは『彼女と彼の週末』『モノクロコード』『シークレットブルー』の呉由姫。白泉社「LaLa」で2003年から2011年にかけて連載され、全17巻で完結しています。『金色のコルダ』シリーズとして『金色のコルダ Blue♪Sky』『菩提樹寮(リンデンホール)のアリア -金色のコルダシリーズ-』『金色のコルダ4 ─four─』も配信中です。
【おすすめするポイント】 人気の乙女ゲームをコミカライズした作品。楽器を上手に弾けたら素敵なのに……と憧れることは誰しもあるはず。しかし、楽器がうまい人は子どもの頃からたゆまぬ訓練を継続しているからこそ弾けるのです。そんな基礎をとばしていきなりプロ級になってしまえるのが魔法のヴァイオリン。誰もが欲しい夢の楽器です。そのうえ香穂子に待ち受けるのはイケメン揃いのコンクールメンバーとの恋。夢の音楽家への道と恋に大忙しの音楽ラブコメディーです。
【あらすじ】小暮也映子(やえこ)は寿退社したその日に婚約者に婚約を破棄されてしまった。傷心の也映子が門を叩いたのは大人のバイオリン教室。パートの中年主婦の北河幸恵と大学生・加瀬理人(りひと)と、年齢も環境も違う3人はバイオリンを通じて距離を縮めていった。講師の久住眞於(くずみまお)は理人の兄の元婚約者で、理人は一方的に眞於への思いをつのらせていく。発表会に向けてバイオリンに熱中していくうちに也映子の心の傷は癒えていき、新しい仕事や恋に向かう力を取り戻す。
【作品情報】 作者は『あなたのことはそれほど』『1日2回』『太陽が見ている(かもしれないから)』『そろえてちょうだい?』のいくえみ綾。集英社「Cocohana」で2012年から2018年まで連載され、全4巻で完結しています。2019年に波瑠主演でテレビドラマ化されました。
【おすすめするポイント】 婚約破棄された心の傷を抱えた也映子がまったくの未経験からバイオリンを始め、少しずつ上達していきながら心の傷を癒し、人間としても成長していく姿に注目。後半になると也映子と理人が単なる教室仲間から恋愛に発展していきます。年の差カップルの恋は成就するのか?
絵から音が聞こえてくるような没入感たっぷりの音楽漫画のとりこに...
今回はおすすめの音楽漫画34作を紹介しました。傑作音楽漫画の特徴は、主人公に圧倒的な個性があり、魅力的であること。素敵な主人公は読者の心をわしづかみにして離しません。多くの作品が映像化されているため、漫画と比べてみるのもおすすめ。お気に入りの作品にどっぷり浸かって、素敵なコミックライフを楽しみましょう。