けものあそび
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けものあそび

もちの米

ふたりを出会わせてくれてありがとう。

2022年4月25日
仲山米先生名義で現在青年漫画を描かれている作者さん、BL枠としては最後の過去名義作品。レビューのために再読してまた感動。「僕のおにくちゃん」→スピンオフ「けものあそび」→もう一度「僕のおにくちゃん」の順番で読むとよいかと。。「〜おにくちゃん」で最悪クズ元カレとして登場した将輝が、前作ラスト、ひとり髪を短く切ってからの物語。
お坊ちゃんでピアニストの卵の翼は、金髪強面の男が道端で無抵抗な人を殴っているのを目撃、巻き添えで殴られてた時に自分の性癖を再確認してしまい、もう一度その男に会いに行く。無表情で暴力をふるう獣のような男、将輝は翼の性癖を理解して彼のことも獣と呼ぶのだった、、という始まりです。
将輝の辛い境遇や、一見恵まれているような翼が抱える生きづらさも描かれます。このふたりが出会わなかったらどうなってただろう、っていうふたりで足りないところを補って生きて救われる系のBLならではのお話は、毎回感動してしまいますね。特にこの作品はとてもよく練られた設定で、例えば、将輝が「黙れ」、って言うシーンが2回あるんですけど、最初と最後の対比がね〜もうね〜。。将輝と翼を出会わせてくれて、一緒に幸せでいてくれてありがとう(涙、ってなります。将輝の乱暴な言葉使い(だけど将輝の心根は、ほんとうはものすごく優しい)にキュンとなる翼の気持ちがよくわかる!
最後まで読んでから「僕のおにくちゃん」に戻って再読して、クズ男だった将輝を赦してあげようって思いました。なんなら、少しでも早く翼に出合わせてあげたいって思ったわ。
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