はじめまして、オレの親友
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はじめまして、オレの親友

木田さっつ

は~、感情が揺さぶられました✨皆様読んで

ネタバレ
2024年12月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 木田先生のこちらの新作、めちゃくちゃ良かった…。
何度読んでも、マイ涙腺のツボを押す神作品に出会ってしまった…。

登場するのは、ルームシェアしている黒髪ワンコ童貞の翔太郎と、イケメン・モテ男の凛。翔太郎目線で始まるこの物語、凛が記憶喪失になったことで、それまで険悪な関係だったことが嘘のように、凛が幼い頃のように自分になついてきてくれることで、呼び起こされる記憶の数々がさ…。母親している自分としては、ホンッとに可愛くて、こんなに仲が良かったのに、どうして拗れたの?と思う翔太郎の気持ちに感情移入してしまうんです。そして、その瞬間、翔太郎の気持ちに寄り添う凛の言葉にホロリとする翔太郎の気持ちに自分の娘に対する気持ちがリンクして。
自分の身から分かれたように生まれた子供。気持ちも身体も一心同体だと思ってたのが、思春期になってどんどん離れて行ってしまって、気持ちが通じなくなってしまって寂しいな…と思っていたある日、娘が素直になって気持ちが通じた瞬間の自分の気持ちと重なったんです。いやいや、BLで、母親としての自分の気持ちとリンクする作品って、そんなにないんだけど?と驚きました。

そんな、記憶喪失がきっかけとなる「二人の関係の再生の物語」。
時折挟まれる、幼いころの2人の仲睦まじさと、大学生になって離れてしまったように見えた2人の姿のギャップを感じた初めの印象が、読んでいくうちにどんどん変化していくのが、面白くって、かつ上手!!!
凛目線で展開される後半。凛の執着、拗らせの半端なさ、でもその執着が作り出したところもある、翔太郎の純潔、純粋さ✨
でもでも、凛の記憶が戻ったら、2人の関係はどうなるのか、という緊張感を保ちながら、感情と身体の昂ぶりまで描き切ったラストまでの感情描写と、身体の描写の美しさ…。本当に天を仰ぎたい、見事な作品でした。

できればハンカチを準備して、記憶喪失、幼馴染、執着、溺愛のベストブレンド作品賞を贈呈したくなる味わいを堪能してください。
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