遠田おと短編集 にくをはぐ
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遠田おと短編集 にくをはぐ

遠田おと

友人に布教中(紙本)

2025年3月23日
題名と表紙にアンテナが引っ掛かり、試し読みを開いてみたら…なんですか?!このキュンとするハートの瞳の持ち主は!
ピシーッゴトッと硬くて冷たい音の後の切羽詰まった臨場感に打ち抜かれて購入決定。
全てのお話、対談まで本当に読みごたえがありました。
クスっとしてしまうものもありますし、西瓜のお話に涙がこぼれてしまいました。

そして表題作。
予備知識無かったのでお話のラインが構えていた方向ではなかったことが一つ驚き。
そして、少しずつ蝕まれてゆくというか精神的に追い詰められてゆく主人公の夢に衝撃。
夢の表現が淡々としていることが妙にリアルで知っている感覚だったからかもしれないけれど。
皮を剥いでにくを剥いで。
セクシャリティだけではなく、親と子の話でもあったんだなぁと。

太陽にも毛布にも縄にも首輪にもなるのが親の愛なんだわ。
一冊で色々な愛を読ませてもらったな~。

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