辛辣さと温かさと





世界的に疫病が流行した、あの時代を舞台にした短編集――。
真っ赤な背景に菊の大輪の装丁が印象的。
6編の物語。ダークだったり、ほっこりいい話だったり、人生いろいろ。
「スモールワールズ」でも思ったけど、私は一穂ミチ先生の辛辣な毒の部分が好きなんだと思う。
澄み切った透明なベースに、ほんの数滴入る悪意や狂気。その毒の配分が天才的。
これは天然でやっているのではなく、きっちり計算して入れられているんだなと。この作品を読んで思いました。
かなり毒気が多いダークな作品があったり、それを全て打ち消すようなスカッとする話が入っていたりと、その緩急がとても上手くて読んでいて飽きない。あっという間に読み終えました。
最後の話「さざなみドライブ」、見事でした。あの厄災をそう描くのか…。
すっきり楽しい話ばかりではないので好みは分かれると思うけど、すごく面白かった。なるほど納得の第171回直木賞受賞作。
今度こそ次は「イエスかノーか半分か」読もうと思います。

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