僕らには僕らの言葉がある
」のレビュー

僕らには僕らの言葉がある

詠里

野球に懸ける“ろう”と“聴”の高校生

ネタバレ
2025年6月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 野球一筋の高校生・野中と、ろう者である真白。“野球”という共通項がなければ、関わることさえなかったかもしれない二人のお話です。

高1の真白はろう者でありながらも、入学したのは聾学校ではなく一般の高校。しかも野球部のピッチャー希望者。“聾学校の野球部”ではなく、“一般高校の野球部”にろう者が入部するという目新しい設定です。
野球意外に興味のない野中は、そんな真白を最初は煙たく思うのですが…。真白の投げた素晴らしい球を見て、その意識を変えざるを得なくなり。
“ろう”のピッチャー・真白と、“聴”のキャッチャー・野中。彼らの家族や野球部員たちも交えながら、二人を主役とした物語が始まっていきます。

やはり設定が新しいと思いました。一般高校の野球部、しかし真白はろう者。
最初は野中のように関わるのが面倒だと思っていた他の部員たちも、主役二人に感化されて徐々に変わっていきます。真白が受け入れられていく様子が嬉しかった。

青年漫画のカテゴリの作品ですが、初見では表紙の印象からBLっぽいのかなと。ですがBLというよりはもっと軽め、ほんのりブロマンス風味です。
絵柄は独特ですが、どことなく優しい雰囲気が感じられて私は好き。
また、真白も野中も特段優れた容姿で描かれてはおらず、それが逆にナチュラルで良い味を出している。
可愛いめの真白と、イカツめの野中。対照的で、どちらも魅力的な主役たちだと思います。
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