ズタズタの腕にキス 【コミックス版】
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ズタズタの腕にキス 【コミックス版】

サノアサヒ

人生と豆苗は似てるのかも

ネタバレ
2025年6月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 新刊作者さん買い。神本棚行き。

たくさん本読んでると、どこかで読んだような焼き直し量産作品がある一方で、あーこれはこの先生にしか描けないだろうな〜っていう作者の魂とオリジナリティが感じられる本に出会えることがあって、これは間違いなく後者。サノアサヒ先生が産み出す作品はみな先生の分身、今まで生きてきたご自分の一部を切り取って描いているのではといつも思う。

容姿にコンプレックスを抱えてて化粧をしないと人に会えない外に出られない腕にはリ スカの跡が残るフリーターの子が、2年前のオープンキャンパスで見かけて一目惚れした年下新入生を追いかけて新歓に潜入したら、、っていう始まり。

ふたりともキズを抱えてて、それは消えない。でもまるごと抱えて互いにそんな自分を許し許されて一緒に生きてく、連載で読んでてもぜひ単行本描き下ろしまで読んでほしい、名言格言、何かしら傷があるひとには絶対心に響く言葉がたくさん紡がれるのでゆっくり読むといいよ。

1話の表紙のTシャツにある文字、No matter how embarrassing my arms are..が英題なのかな、最後がI kiss you なのよね。You kiss me じゃなくて。自分からキスしにいくのよ。それがたどり着いたラストの彼の心情で、そうなってくれてほんと嬉しいわ。

私も豆苗再生して収穫させるの好き。人生と豆苗は2回くらいやり直せるって、標語にして貼っておきたい。
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