彼氏が欲しかった
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彼氏が欲しかった

たうみまゆ

本年度「続きが気になる」ベストワンです

ネタバレ
2025年8月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 印象的な泣き顔に「彼氏が欲しかった」というドストレートなタイトルがフォロー様のレビューに上がって、こりゃー気になる気になる気になる木〜、と勢いよく購入しましたらなんと完結してない! 1・2巻同時刊行だから完結してるのかと勝手に思っちゃいましたがそれなら上下巻表記にしますよねそーかそーか。

身近にごくたまにいる、視点が大人っぽい人・物事に動じない人を「人生何周目〜?笑」なんて評しますけれども、主人公がまさにそれ。大学生という、恥と自意識と若さにまみれた年齢を大人の記憶を持ってやり直せるなんて、なんというチート。チートゆえにすぐにめちゃくちゃイケてる彼氏が出来ます。
これがもー◯ing◯nu◯田かよみたいなタラシ系イイ男です。カーッ好き!姓も名も日本酒みたいな男です。こちらも一見「人生何周目?」みたいな余裕あり男なんですが、実際は一周目なんで時々年相応の可愛さなんかもチラ見せしてくれて、そこがリアルで作者さん巧い。そして人生二周目である主人公の壁とか狡さなんかが見えてきて、それは相手にも伝わる。主人公に真剣に向き合ってくれたからこそ、バレてしまうんですね。やっぱチート良くないわと主人公も読者も心苦しくおもう(独自の解釈ですw)。
そしてカスミさんは根っから年上好きなんだねとか、そこも味わい深かったです。

主人公は元々正義感に溢れた性格というわけではなかったのでしょうけど、妻への深い後悔があるので、自然と自分の言動が周囲の人へ及ぼす影響を考えて行動するようになります。中身40歳なんで周囲の大学生が皆子供に見えるっていうのもあるんでしょう。傷付いて欲しくない、誰もがいい人生を送って欲しい、本人は無自覚かもしれませんが、そんな風に感じて動いてると思います。そこに、2周目チートだけではない主人公の魅力が増していく理由があって、とても良いと思いました。

「彼氏が欲しかった」…1度目の主人公の慟哭のようなタイトルが、2度目の生でどうアンサーされていくのか。独自の切り口のやり直しBLで、続きがとても楽しみです。
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