トーチ【コミックス版】
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トーチ【コミックス版】

ニャオスキー

完成度の高い連作短編集

ネタバレ
2025年8月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ レビューを拝見して1話目を読み、ミニシアター作品のようなカッコ良さに短話買いしたのはつい先月のこと。
早くも単行本でまとめて読めて嬉しい、ニャオスキー先生の連作短編。描き下ろしまで含めて完成度が非常に高い。
朝食アンソロジー掲載の『COFFEE AND DONUTS』も収録。未読だったのでこれも嬉しい。

タクシーにまつわる短編4話。
それぞれにお題があって、誕生・怪物・結婚・失恋。
踏まえて読み返すと味わい深い。

移ろいゆく天気と時間の描写が秀逸な1話目。
まるでそこにいるかのように物語を肌で感じ、タクシー内での会話劇と人生を絡め、強く印象づけられる。
2話目は徐々にドタバタとする展開と着地に痺れた。
繰り返しによる狂気はビ◯・マーレイの映画『恋はデ◯ャ・ブ』を彷彿させて面白い。

感動と、後悔と、感情を揺さぶられてからの描き下ろしの衝撃。驚きつつも、そうきたかとニヤリとしてしまう。
失うときは失うし、けれどもやり直すのに遅いことはなく、また1日と生きるのみ。でも、明日はあるのか?
抱える灯火、受け取ったからには手渡したい。他の方のレビューも楽しみ。おすすめです。ぜひ。
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