雨傘で凌げないほどの恋
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雨傘で凌げないほどの恋

ARUKU

ストーリーは好きです

ネタバレ
2025年10月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買い。学生時代、同級生の天花寺のアウティングのせいで心に傷を負った五映が主人公。
試し読みの物悲しい雰囲気から心をギュッとされ、楽しみにしていたのですが。
拝読し終わり、いつも大満足のARUKU先生の作品と異なり少し違和感のようなものが残りました。
おそらく天花寺のキャラクター性、それが私にはよく掴みきれず、感情移入できなかったことが大半の理由です。
五映への謝罪にしろ妻との離婚にしろ、あまりにも突拍子がなさすぎて着いていくのがやっと。五映が混乱するの、よーくわかります。
こちらが望んでもいないのに、恐怖心すら湧くようなやり方。あそこまでされてしまったらもう受け入れるしかないし、ある意味脅迫に近い感じ。
20年も音沙汰なかったんだから、今更怒濤の謝罪攻撃されてもなぁと。実はその裏には“取材”があったことも大きいのかもしれませんが…。
私は当て馬の鍵原の方が、天花寺よりずっと格好良く素敵に見えました。20年間ずっと感情にブレがなかったので。

それともう一つ。“36歳”という設定の割に言動・行動が幼すぎて、ちょっと引いてしまったんですよね。
ほわほわラブラブな微笑ましい雰囲気は先生の他作品でもお見かけしますが、こちらはしっかりアラフォー設定。なので、やる事なす事あまりの子供っぽさに徐々に冷めてしまった。
外見も若見えしすぎて、とてもアラフォーには感じられない。他のレビュアー様と同意見で、20代設定なら許容範囲だったと思います。

ストーリーについては切なさあり、温かさありでいつも通り素晴らしいと思えたのですが…。今回は天花寺というキャラクターにハマりきれませんでした。
私は断然鍵原推しですね。
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