HOUSE
」のレビュー

HOUSE

奥田枠

ネタバレなしで読むべし

ネタバレ
2025年10月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 新潮社✕奥田先生…前作「Kの支配者」でここ迄描いてくれたか!!と歓喜乱舞でしたので、今作も絶対に一筋縄じゃないよね〜と思いながら即買いです。
ネタバレ無しで読むほうが大変よろしいかと思いますので以下、注意されたし。



今回も来た…主従。しかも近親物。

厳格な父に総て管理されている家に生まれた兄・龍彦と弟・龍蔵。
総て父の言う通りにならなければ平気で殴られ、伏して謝罪すれば手を踏まれ叱責される。
龍蔵は父を誰よりも憎んでいたが兄よりも濃く父の血を受け継いだ龍蔵は「支配者は2人もいらない」と家を出た。兄にも出るよう進言したが「長男だから」と頑なに受け入れなかった。
兄弟は離れ幾ばく、風●ルポライターとして生計を立てている反面、自分が満足するマゾには出会えず日々仄暗い渇望ばかりが渦巻くばかりでいた。
そんな中、あの父親の訃報を知り龍蔵は何年ぶりかに実家に帰ることに。
そして詳細不明だった兄と再会するが、昔の面影は残しつつも父のように厳しい表情を浮かべ亡き父のように家族たちを暴力で支配していた。
寡黙ながら優しかった兄の激しい内情に今更気づき、龍蔵は自分の居場所はもうないと悟る。
別れも終わり、早々にお邪魔しようとしていた龍蔵は最後に父のお気に入りだった女に声をかけようと探していた所、その女を折檻する龍彦を見つけてしまい…

という前編半ば、まさか…まさかの近親BL開幕ですか!と大歓喜。
支配者と支配される側の関係のガチなやつでした。ヤッタね!

読み進めていく内に気づくのですが、父と龍蔵の違い…それは血の繋がりを超えられるかどうか。
支配者として絶対的に君臨してた父が唯一本当に支配できなかったのが龍彦。
「お父さん」と言いながら龍彦が求めたのは他のマゾたちが「御主人様」から貰えるご褒美。いつか貰えると信じていたのに、結局、御主人様が龍彦に抱いていた感情は親子。父も誤算だったからこそ、怯えを抱いたまま逃げてしまった。
そして龍蔵は兄に対して血よりも従僕を選んだハッピーエンド!最高!
商業でここまで徹底的なのは本当に感謝…

龍蔵の攻めの描写、そして一心に受ける龍彦の反応が本当、映像化出来るのでは?ってくらい生き生きとしてて…龍彦の嬉ション…大勝利でしたね…
他、気になる事沢山ですが…短編集が出るとの事、楽しみ!

龍彦!膀胱炎には気をつけろよ!!!
最高でした…
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