春のデジャヴに踊れ
」のレビュー

春のデジャヴに踊れ

おどる

尊い

ネタバレ
2025年10月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読みながら途中でわーっとなった物語でした。言葉が難しいけれど、2人がとても真摯に向き合っているのがとても良かったし、淳さんが途中で感情的になってしまう所には、自制心を失っている二十代後半のメガバンクリーマンの日常がチラッと見れてとても良かったです。そして2人の描写が綺麗だなと感じたのは、やっぱりダンスという美しい世界とそこに初めて同性を意識した2人の物語だからかなと…(相乗効果の様なものを感じました。)
ただ、ネタバレになりますが、途中でわーっとなるほど感動したのは…なんていうのかな。2人は子供は嫌いじゃない、欲しいなと思う男性だったのに、その未来じゃなく互いを選び、晃介も父親にそう伝える。その設定に編集側が今の社会なのに大丈夫だと、という所に感動したというのか。男性でも子供は産めて、同性が一般的な家族を持つ事に何も問題はない、それを問題とするのはトランス差別の今の社会で、養子でもない、互いの子を女性に代理で産んでもらってじゃない、2人だけを選んで2人の人生を歩むと出した結論のこの物語にありがとう御座いますと。利己的な所をこの物語からは何も感じなかったんですね。そこが切なくて。だから尊いなと。これが私が思うBLです…と、この作品を読みながら心の中で叫んでいました。本当に尊い。(ただこの2人が現実なら、わが子が真剣に相談してきたなら、子を持つ選択肢もあると伝えると思います。言葉が難しい…)この作品と出会えて良かったなと思いました。
いいねしたユーザ19人
レビューをシェアしよう!