俺様は栗である
」のレビュー

俺様は栗である

つづき春

水井恭一が、良いスパイスに。

ネタバレ
2025年10月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 父松五郎をはじめ、会社員の長男梅太郎、専門学生で次男の柊、男子校に通う三男竹生、受験生の四男桂。味のある犬・栗之介が住む杉家は、母を亡くしたばかりの男所帯。

誰が家事をするのかと会議をするも、どこか達観した四男が手を挙げ、そのフォローは次男の柊が。そしてこの柊、実は男性の恋人がいる。

本作は「水井恭一のTEENAGE LUST」のスピン元。
ルチルでアンソロジーからの連載をしていたのは1998年〜2000年とのことで。水井妹がまあまあ酷い発言をサラッとしたりするのも、時代なのかと感慨深く。

高三の三男竹生が水井と同級生なのだけれど、桂や柊カップルを巻き込んでのドタバタが面白い。
いろんな人間がいていいんだなあとホロッとしたり、子供の方が大人よりおとなでハッとしたり。

全187ページ。BLというより家族がテーマの群像劇。
つづき先生の描く、飾らず気負わず正直に生きるキャラクターが好きなので、私は大いに楽しめました。
結局カップルは柊だけで、濡れ場はナシ。梅太郎には、会社の後輩くんに想像もしなかったような世界へ連れていってもらいたかった。残念!
いいねしたユーザ10人
レビューをシェアしよう!