蝶の眠る庭
」のレビュー

蝶の眠る庭

凡乃ヌイス

改めて「6と7」の2人を想いました。

ネタバレ
2025年11月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 寄生主と人との関係を思った「6と7」でしたが、前日談にあたるこの作品の2人と禄斗と七海の関係を比べる事ができて、改めて七海の心の清らかさを感じてため息でした。ネタバレしますが、「6と7」で水族館に行った後、初めて禄斗が出会った同種の黒髪の方(京極)の物語がこの「蝶の眠る庭」だそうです。

冒頭の言葉、偽物は本物にはなれない…は、京極、榮人にとっては本物になる事が出来なかったのかなと。作家京極は、恋人の榮人から得るインスパイアから自身が納得する作品を生み出していたのに、今はスランプだと。それはもう榮人が榮人ではないから書けない訳ですが、何故そうなったのかを知ると京極という人間の欲深さや、ある意味榮人を糧に作品を生み出していたのだろうなと。少なくとも京極には榮人程の愛は無かったからあの様な結末だったのかなと感じました。

その後の京極は榮人に寄生していた者が京極に乗り換え作家京極の人生はそこで終わるわけですが、人との関係が短いのが寄生主達の一般的な生き方なのだとしたら、禄斗と七海の関係は愛だったのかなと。この作品を読みながら改めて2人を想いました。良かったです。
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