帳と針【電子単行本】
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帳と針【電子単行本】

DAO通信

歪んだ癖が刺激されました

ネタバレ
2025年12月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 陰鬱の中にある執着から逃れられない。すごく好きです。
それぞれが抱える空洞が2人にしかできないやり方で埋められていくような。

以下とてもネタバレしています。

石神は高橋を妻に会わせて絶望させた後でその離婚を伝え、妻にはまるで「コイツは俺のモノなの」って教えるように高橋の存在を確認させる。
あぁこの男は試している。寂しくて美しいクズだ、と私の癖が共鳴して震えました。
お前は俺のものだろ?その執着はどの程度なのか?と高橋の様子を見て興奮していたんじゃないだろうか?
もはやあれも偶然に見せかけた必然だった?

そんな石神に一生囚われている高橋。
壊れた時計を分身のように大切にし、つまらない日常のいたる場面で石神を脳裏に浮かべる。
まるで”百舌鳥の早贄”のごとく仕留められ枝に刺された”にえ”のようにその場から動けないでいるのがもうたまらなかったです。そして石神も高橋という”にえ”を放っておくくせにずっと手放さないでいる・・・最高。
欠如の先にある2人の執着と滲み出るエロスがとても良かったです。こんな埋め方もあるんだな・・
不完全で壊れたまま満たされていく。歪んだ共依存がとても素晴らしくゾクゾクしました。

何よりこの雰囲気でハピエンなのが凄いです。好きな人は好きなはず。クセになります。
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