人魚心中【コミックス版】
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人魚心中【コミックス版】

鹿島こたる

美しい狂心ホラーBL

ネタバレ
2025年12月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ こたる先生の画だから成立する世界観。耽美でホラーなダークファンタジーです。
エロもグロもたっぷり。それだけじゃなく宗教、哲学、あらゆるものがないまぜでちょっと考察がすぎてまとまらず、自分一人のちっぽけな頭で思考するのは限界。皆様のレビューを読んでみたいなと思う作品でした。

以下ネタバレになっています。

読んでいて怖いなと思ったのが「人魚は何もしていない」ことです。ただ美しく存在していただけ。いつの時代も人間に利用されながらも、復讐しようとか、自ら何かしようと動くことはありません。
この人魚はオム・ファタール?と思ったけど、いやこれ悪人善人関係なく人間同士が勝手に自滅してるだけじゃないか?あぁだから弥勒菩薩なのかと思いました。

水島が他の人間と違うのは破滅してもなお人魚に魅入られ続け手放さなかったことでしょうか・・狂っていたとも言えますが彼はこの世界に『ミロク』と名付けた人魚以外何もいらなかった。少年時代に性的興奮をおぼえた菩薩と人魚は彼の中でおそらく同義だったことを考えれば、幸せに狂い続けた人生だともいえます。そこまで貫ける彼が少しうらやましくもあり・・

それと何といってもこたる先生の絵が美しくて息をのみます。美はグロもホラーも内包することを納得させられてしまう。他の方も単話のほうでレビューされてましたが、私も『日出処の~』を初めて読んだ時を思い出しました。
背中にびっしりと美しい刺青を背負った水島と人魚が抱き合う絵、月を侍らせた人魚の絵はそれで一つの芸術品のように本当に美しく額に入れて飾りたいほど。ひたすら人魚に目を奪われるのですが実は水島も相当に美しい男でした。

※途中出てくる火野葦平の短編小説『人魚』が無料で読めます。河童はあの画家なのでしょうか?
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