「境界の道で 森野鈴鹿作品集
」のレビュー

境界の道で 森野鈴鹿作品集

森野鈴鹿

厳しくて美しい世界感に惚れ惚れする

ネタバレ
2026年9月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 幻獣に恋した私はどうしたらいいのでしょうか。

ページをめくるとまず初めに飛び込んできたのは艶やかな花の香りがするような帽子をかぶった女性と、クルクルとした巻き毛が可愛らしい狼の獣人。
次のページには木のぬくもりや温かなスープの湯気が立ち上る優しい幻想世界。
メチャすきぃ~!
なんて素敵な柔らかくて温かい世界観!
そして誘われるようにどんどん読み進めてゆくと...。
何と...。
チリーンちりーんとベルを鳴らしながら現れた賢者ケンタウロス。
素敵...。
その立ち姿、凛々しく少し恐ろしく、そして優しい瞳。
「良い月夜だね」
『ハイ‼トマソン様♡』
垂直落下、落ちました。
なぜ私はこの世界に行かれないのでしょうか。
トマソン様の傍を歩けないのでしょうか。
転生しようか。
社畜につき限界越しましょうか。
などとしばらくトマソン様から目が離せませんでしたが、ページをめくるたびにこれぞという幻想世界が広がっていて子どもの頃に思い描いた空想の世界が頭の奥から引き出されてくるような感覚を味わいました。
他、4編。
可愛らしい羊の執事とセクシーな虎の老将のお話しや、魔導士とグリフォンのお話し。
グリフォンってファンタジー好きは一度は憧れを持ちませんか?
カッコ良すぎるじゃないですか。
蝙蝠の幻獣のお話しは、美しく怪しく悲しかった。
恋しい気持ちは幻獣にもまぼろしを抱かせるのよ。
そして、もう一編表題作。
このお話は…「本当のグリム童話」のように厳しい現実や教訓の様なものが織り込まれていて、心にしみる素晴らしい作品でした。

幻獣たちの目線や表情が可愛らしいだけではなく厳しさや恐ろしさを漂わせていて、見れば見るほど惹き込まれてゆく。
作画の素晴らしさ。
お話のおもしろさ。
最高でした。
トマソン様に乾杯。

**201ページ**
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