半分あげる【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】
有馬嵐
このレビューはネタバレを含みます▼
結構珍しい設定かなと思いました。私が勉強不足なのかもしれないですけど。
基本的にこういう春を売るという行為って、大体している方が受けに回ることが多いのがBL界の常だと思っていました。だから私も地雷だったんですけど、こちらは母親に強制的に売られた白木が攻めです。
行くあてもなく、白木を助ける為に逃避行に走った黒川。そんな、学校ではあまり仲も良くなかったはずの2人が逃避行の中で関係を変えていきます。
逃避行の終わり際に、恋なのか慰めなのか人肌が恋しかったのか、寂しさを埋めるように2人は体を重ねますが、白木くんが準備をしようとすると黒川くんがこわくてできないから自分に入れてくれって言うんです。こういう時っていつもウリをしていた方が率先してやりますよね。なんだか今回のパターン凄く珍しくて、同時に黒川くんの優しさが心底伝わってきました。彼じゃなきゃ白木くんを救ってなんてあげられないんですよね。
でもこういう感情が本物だと思うんです。同じ客側に立ちたくないというか、本当に相手を想っている感じ。最近のBLではえろメインがやっぱり人気でやらしい受けがデフォですけど、お話メインの中にそういう行為が含まれているという構成に感じてかなり好印象でした。