花火とちゃんとしたお付き合いをすることになった麦は、その一方で彼女が二股をしているのではないかと疑います。しかし、それを嫌がるどころか、むしろ喜ぶ始末。もともと皆川のことをビッチだと知っていて好きだったこともあり、クズ女が好きなタイプだったのでした。だからこそ、麦のことを一途に想うのり子には全くそそられないのです。そういう麦もなかなかのクズですよね……。

麦とデートをした後、のり子は彼の部屋でキスをします。ただ触れたいという彼女の気持ちに応えて続きをしようとする麦。でも、一途に彼のことを想い続けているのり子は麦にとって特別で壊してはいけない存在であったため、罪悪感から途中で手を離してしまいます。麦にとってのり子は特別な存在。でも、のり子にとってそんな特別な存在枠はなんの満足にもつながらないのです。のり子は空っぽな心を感じ、麦との特別な関係をもういらないと伝えます。

夏休み明け、麦が皆川と結ばれたことで花火は一人になってしまいます。同じく麦にフられたのり子は、花火よりも清々しい表情で「私の方がずっと長く！まっすぐに！麦を好きだったわ！」と言い放つのです。そして戸惑う花火に、こう続けました。誰かから愛されることよりも、自分が選んだ人を一心に想う強さ。それこそがフられたあともスッキリとした表情にさせてくれるのかもしれません。選ばれなかったことで寂しさを感じていた花火は、自分で歩き出すという選択肢に気づき、微笑みます。